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個別株投資のおすすめは?銘柄選びで確認したいポイントを解説

決算資料と株価チャートを見ながら個別株の銘柄選びを検討する会社員 株式投資

個別株投資のおすすめは「人気銘柄を買うこと」ではない。事業・業績・株価・還元・リスクを自分で確認できる銘柄を選ぶことが、初心者ほど重要である。

楽天証券やSBI証券のデビュー銘柄を見ると、NTT、ソフトバンク、オリエンタルランドなど知名度の高い企業が上位に並ぶ。一方、2026年9月時点では半導体、AI、高配当、新NISA関連など注目テーマも多い。では、何を基準に個別株を選べばよいのか。初心者が確認すべきポイントを整理する。

個別株投資のおすすめは?初心者が買っている銘柄は何か

結論から言えば、初心者には「自分が事業を理解でき、継続して業績を確認できる企業」から候補を探す方法がおすすめである。

「みんなが買っているから」という理由だけで銘柄を決めるべきではない。ただし、実際に株式投資を始めた人がどの企業を選んでいるかは、候補探しの参考にはなる。

楽天証券が公表した2026年7月の日本株デビュー者による現物取引ランキングでは、上位10銘柄は次のようになっている。

順位 銘柄 コード 最低購入金額
1位 NTT 9432 15,240円
2位 ソフトバンク 9434 22,340円
3位 ジャパンディスプレイ 6740 4,800円
4位 オリエンタルランド 4661 316,700円
5位 イオン 8267 136,400円
6位 楽天グループ 4755 83,360円
7位 窪田製薬HD 4596 5,900円
8位 トヨタ自動車 7203 306,700円
9位 NF日経半導体株 200A 4,319円
10位 三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 357,100円

これは2026年7月に日本株を初めて取引した人のうち、現物取引の買付人数を集計したランキングである。最低購入金額は単元株取引を前提とし、2026年7月31日の終値が参照されている。

NTT、ソフトバンク、イオン、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、普段の生活でも名前を聞く企業が目立つ。

これは偶然ではないだろう。

個別株投資では企業そのものを買う。したがって、自分が商品やサービスを知っている企業は「何で稼いでいる会社なのか」を把握しやすい。

SBI証券が2026年4月1日から6月30日までに初めて国内現物株を購入した人を集計した「デビュー株式TOP5」でも、1位NTT、2位ソフトバンク、3位オリエンタルランドと、知名度の高い企業が上位だった。

続く4位は任天堂、5位はキオクシアホールディングスである。

楽天証券とSBI証券の双方でNTT、ソフトバンク、オリエンタルランドが上位に入っている点は興味深い。

ただし、ここを履き違えてはいけない。

人気ランキングは「将来値上がりする銘柄ランキング」ではない。あくまで、その時期に初心者から多く買われた銘柄の記録である。

私は品質管理の仕事でも、「多く使われている」と「品質が優れている」を同じ意味では扱わない。

投資も同じだ。

人気という数字を入口にするのはよい。しかし、買う理由を人気だけで終わらせてはいけない。


個別株の銘柄選びでは何を確認すればいい?

個別株投資で最初に確認したいのは、株価ではない。企業がどのような事業で利益を生み、その利益を今後も伸ばせるのかである。

最低でも、次の5項目は確認したい。

  • 何を売って利益を稼いでいる企業なのか
  • 売上高と利益は伸びているか
  • 株価は業績に対して高すぎないか
  • 配当や株主優待など株主還元はどうか
  • 業績が悪化するリスクは何か

たったこれだけか、と思うかもしれない。

だが、この5点すら説明できないまま「おすすめ株」を買う人は少なくない。

それでは投資ではなく、銘柄名を使った当てものになってしまう。

まず「何で稼ぐ会社か」を説明できるか

たとえばNTTは通信を中心に幅広い事業を展開している。ソフトバンクも携帯通信などを手掛ける。

オリエンタルランドなら東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの運営企業として知られ、任天堂ならゲーム機やソフトが主力である。

三菱UFJフィナンシャル・グループなら銀行、信託、証券、カードなどを抱える金融グループだ。

まずはこのレベルでよい。

「この会社は何でお金を稼いでいるのか」

自分の言葉で説明できない企業に、いきなり大切な資金を投じる必要はない。

みんかぶでも、初心者の銘柄探しについて、普段使っているサービスやよく知るブランドに関係する企業を候補にする考え方が紹介されている。

身近な企業なら、新商品やサービスの変化にも気づきやすい。

もちろん、「好きな企業=良い投資先」ではない。

ここは厳密に分ける必要がある。

サービスが好きでも利益が出ていない会社はあるし、優れた企業でも株価が高すぎれば投資成果が期待通りにならない場合もある。

知っている企業から探し、数字でふるいにかける。

この順番が重要だ。

売上高だけでなく利益の推移を見る

企業分析で初心者がやりがちなのが、売上高だけを見て「成長企業だ」と判断することだ。

売上高が伸びても、費用がそれ以上に増えれば利益は残らない。

そこで決算資料では、少なくとも売上高、営業利益、純利益などの推移を確認したい。

単年度だけを見るのではない。

過去数年を並べ、

「この会社は継続的に利益を増やしているのか」

を見る。

利益が減ったから即座に悪い企業というわけでもない。

新工場への投資、新規事業への先行投資、原材料価格の上昇、為替変動など、一時的な要因で利益が落ちるケースもある。

大切なのは数字が動いた「理由」まで確認することである。

品質管理でも、不良率が1%上がったという数字だけでは原因は分からない。

設備なのか、原料なのか、作業条件なのか。

株式投資も構造は同じだ。

数字を見る。そして原因を見る。

この癖をつければ、ニュースの見出しだけで慌てて売買する可能性を減らせる。


高配当株・成長株・優待株はどれがおすすめ?

個別株投資では、「おすすめ」を一種類に決めることはできない。

なぜなら、配当を求める人と値上がり益を狙う人では、選ぶべき銘柄が違うからだ。

みんかぶでは銘柄を、高配当株、成長株、優待株、新NISA向けなど複数の投資目的から探せるようにしている。

2026年9月6日時点の高配当株として掲載されていた例には、JT、日本航空、アステラス製薬、積水ハウス、全国保証、オンワードホールディングス、日本M&Aセンターホールディングスなどがある。

掲載時点の配当利回りでは、JTが3.99%、日本航空が3.19%、アステラス製薬が3.39%、積水ハウスが4.29%、全国保証が3.86%、オンワードホールディングスが4.59%だった。

ただし、配当利回りが高ければ安全という考えは捨てるべきである。

株価が急落した結果、見かけ上の配当利回りが高くなっているケースもある。

業績が悪化すれば減配される可能性もある。

配当狙いなら、現在の配当利回りだけでなく、

  • 利益が安定しているか
  • 配当を継続できる利益やキャッシュフローがあるか
  • 過去に減配していないか
  • 配当性向が無理な水準ではないか

まで確認したい。

成長株は値動きの大きさにも覚悟が必要

成長株では、AI、DX、半導体など話題性の高い分野が注目されやすい。

みんかぶが2026年9月7日に掲載していた成長株の例には、エクサウィザーズ、タイミー、ジーエヌアイグループ、Laboro.AI、ジャパン・ティッシュエンジニアリング、FFRIセキュリティなどがあった。

半導体関連では、キオクシアホールディングス、ルネサスエレクトロニクス、アドバンテストなどもテーマ株として掲載されている。

AIや半導体という言葉を見ると、「これから伸びそうだ」と飛びつきたくなる。

そこで一度、手を止めたい。

成長産業と、投資対象として割安な株は同じではない。

市場参加者が成長を強く期待すれば、その期待はすでに株価へ織り込まれている可能性がある。

業績が伸びていても、市場予想を下回っただけで株価が下落することもある。

成長株を買うなら、「成長するか」だけでは足りない。

「現在の株価は、どこまで成長を期待しているのか」まで考える必要がある。

株主優待は「得だから」で決めない

株主優待も、日本株の大きな魅力の一つだ。

みんかぶでは2026年9月時点の例として、カッパ・クリエイト、FPパートナー、ウェザーニューズ、Hamee、力の源ホールディングス、第一興商などが株主優待銘柄として掲載されている。

優待を楽しみに投資すること自体を否定するつもりはない。

だが、3,000円相当の優待を得るために株価が3万円下落すれば、資産全体ではマイナスだ。

優待はあくまで企業価値を確認した後の付加価値と考えたい。

「優待が欲しいから会社を調べる」はよい。「優待が欲しいから業績を見ずに買う」は危険である。

ここを混同しないことだ。


少額投資なら個別株初心者でも始めやすい?

現在は単元未満株を利用することで、100株分の資金を準備しなくても個別株を買える。

日本株は通常100株を1単元として売買するため、株価500円なら100株で5万円が必要になる。

しかし、SBI証券のS株などでは1株単位で購入できる。

SBI証券が示した2026年7月10日終値ベースの参考最低投資金額では、デビュー株式1位のNTTが147円、2位ソフトバンクが211円、3位オリエンタルランドが2,615円、4位任天堂が7,030円だった。

一方、キオクシアホールディングスは1株77,000円と、同じ単元未満株でも必要資金には大きな差がある。

つまり、「個別株には数十万円必要」という時代ではなくなっている。

これは初心者にとって大きい。

少額で実際に株を保有すれば、決算発表や株価変動を見る目が変わるからだ。

自分のお金が100円でも1万円でも動いていれば、企業ニュースを他人事として読まなくなる。

私はここに少額投資の価値があると考える。

単に損失金額を小さくできるだけではない。

少額で「企業を持つ経験」を得られること自体が教材になる。

ただし、金額が小さいから雑に選んでよいわけではない。

100円で買う場合でも10万円で買う場合でも、「なぜ買ったのか」を記録しておくべきだ。

購入理由を説明できなければ、その後に株価が下落したとき、売るべきなのか保有すべきなのか判断できない。


個別株のおすすめ銘柄ランキングをそのまま買ってはいけない理由は?

ランキングには価値がある。

だが、その価値は「正解を教えてくれること」ではなく、調べるべき候補を短時間で見つけられることにある。

ここを間違えると危険だ。

たとえば楽天証券の現物デビュー銘柄では、NTTやソフトバンクが上位だった一方、信用取引のデビュー者ランキングでは2026年7月31日終値ベースでフジクラ、JX金属、ソフトバンクグループ、キオクシアホールディングス、村田製作所、太陽誘電、古河電工などが上位に入っている。

現物投資と信用取引では、参加者の狙いもリスクも違う。

さらにランキングは時期によって変わる。

みんかぶが2026年9月7日3時時点で示した会員の注目銘柄では、東京海上ホールディングス、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱重工業、キオクシアホールディングスなどが並んでいた。

一方、「前日に買われた期待銘柄」には三菱商事、日本郵船、レーザーテック、第一ライフグループなどが掲載されている。

昨日注目された銘柄と、10年間保有するのに適した銘柄が一致する保証はない。

だからこそランキングを見るときは、

「なぜこの銘柄が買われているのか」

まで調べる必要がある。

業績なのか。

配当なのか。

株主優待なのか。

半導体やAIといったテーマなのか。

一時的なニュースなのか。

人気の背景を調べることで、ランキングは初めて投資判断の材料になる。


個別株投資でリスクを抑えるにはどうすればいい?

個別株投資で最も警戒したいのは、一つの企業へ資金を集中させすぎることだ。

どれだけ優良に見える企業でも未来は確定していない。

業績悪化、不祥事、競争環境の変化、規制変更、技術革新、為替、金利、原材料価格など、企業価値を変える要因はいくらでもある。

個別株は企業ごとの差が大きい。

だからこそ、投資資金を一社に集中させないという基本は軽視できない。

みんかぶでも、複数銘柄への分散投資によって、一銘柄の値動きによる影響を抑える考え方が紹介されている。

さらに、個別企業まで調べる時間を確保できない人には投資信託という選択肢もある。

投資信託は複数の株式などへ分散して投資できるため、一社へ集中する個別株とはリスク構造が違う。

ここで強調したい。

個別株を買わなければ投資家として劣る、などということは一切ない。

仕事、家庭、家事、育児で決算資料を読む時間が取れないのに、無理に何十社も分析する必要はない。

時間も資産である。

広く分散された投資信託を資産形成の土台にし、個別株は自分が十分調べられる範囲だけ保有する方法もある。

むしろ、多忙な40代には合理的な考え方だと私は思う。

※画像はAIによるイメージ

私は個別株の「おすすめ」をどう考えるか

ここからは私見である。

個別株投資で本当に怖いのは、株価が下がることだけではない。

自分が何を買ったのか分からない状態で株価が下がることのほうが怖い。

理由は明確だ。

企業を理解していなければ、下落したときに「安くなった」のか「企業価値が壊れた」のか判断できない。

結果として、SNSや掲示板の意見に流される。

上がればもっと買いたくなる。

下がれば怖くなって売る。

これでは自分の判断基準が存在しない。

品質管理では、判定基準が曖昧な検査など使いものにならない。

人によって合格になったり不合格になったりするからだ。

個別株投資も同じである。

購入前に自分なりの判定基準を決めるべきだ。

たとえば、

「営業利益が継続的に成長している」

「財務に無理がない」

「配当を無理なく継続できる」

「事業の競争力を説明できる」

「株価が自分の想定より極端に割高ではない」

といった条件である。

そして買った後も、その条件が崩れていないか決算ごとに確認する。

私は、個別株では買う瞬間より、買った後に検証を続ける力のほうが重要だと考えている。

株価チャートを毎分見る必要はない。

見るべきものは、企業が稼ぐ力を維持しているかどうかだ。

もう一つ重要なのは、「おすすめ銘柄」を探す前に投資目的を決めることである。

老後資金を長期で育てたいのか。

配当収入を増やしたいのか。

株主優待を楽しみたいのか。

成長企業へ投資して値上がり益を狙いたいのか。

目的が違えば、良い銘柄の定義も変わる。

たとえば高配当を求める人が、配当を出さず成長投資を優先する企業を買えば、企業自体が優秀でも目的には合わない。

逆に大きな成長を期待する人が、成熟企業の安定配当株だけを保有しても物足りなく感じるかもしれない。

「おすすめ株は何ですか?」

この問いの前に、

「自分は株式投資に何を求めているのか?」

と問うべきなのである。

ここが決まれば、必要な情報は驚くほど整理される。


個別株投資のおすすめは「自分で確認できる銘柄」から始めよう

個別株投資では、NTT、ソフトバンク、オリエンタルランドなど初心者に多く選ばれている銘柄もあれば、高配当株、成長株、優待株、AI・半導体などのテーマ株まで無数の候補がある。

しかし、人気ランキングの上位だからという理由だけで買うべきではない。

まず確認するのは、事業内容、売上高と利益の推移、株価水準、株主還元、そしてリスクである。

楽天証券やSBI証券のデータを見ると、実際の投資デビューでは知名度の高い企業が選ばれている一方、単元未満株によって数百円程度から投資できる環境も整っている。

少額で始められるからこそ、急ぐ必要はない。

一社ずつ調べればよい。

決算を読む。

事業を調べる。

買った理由を書く。

次の決算で検証する。

地味である。

派手な「爆上げ銘柄」の話に比べれば、退屈に見えるだろう。

だが、資産形成は派手さを競うゲームではない。

曖昧な期待を減らし、自分で確認できる事実を増やしていく作業だ。

仕事が忙しいから調べられない。

数字が苦手だから分からない。

その言い訳のまま個別株へ大金を入れるくらいなら、無理に買わないほうがいい。

本気で個別株へ投資するなら、企業を見る手間から逃げるな。

その積み重ねこそが、「おすすめ銘柄を教えてもらう投資」から「自分で銘柄を選べる投資」へ変わる境界線である。


よくある質問

個別株投資で初心者におすすめなのはどんな銘柄ですか?

まずは自分が商品やサービスを知っており、何で利益を稼ぐ企業なのか説明できる銘柄から調べる方法が分かりやすい。

ただし知名度だけで決めず、決算で売上高や利益、財務、株主還元などを確認することが重要である。

個別株はいくらから始められますか?

通常の日本株は100株単位で売買されることが多いが、単元未満株サービスを利用すれば1株から購入できる。

SBI証券が2026年7月10日終値を基準に示した例では、NTTはS株1株147円、ソフトバンクは211円だった。株価は変動するため、実際に購入する際は最新価格を確認したい。

高配当株と成長株ではどちらがおすすめですか?

どちらが一律に優れているとは言えない。

定期的な配当収入を重視するなら高配当株、企業の成長に伴う株価上昇を重視するなら成長株が候補になる。自分の投資目的、許容できる値動き、保有期間を決めてから選ぶことが重要である。

※本記事は株式投資に関する一般的な情報整理を目的としており、特定銘柄の購入・売却を推奨するものではない。株式は価格変動により元本割れとなる可能性があり、信用取引では預けた保証金を超える損失が生じる場合もある。投資判断は企業の最新IR資料や証券会社の契約締結前交付書面などを確認したうえで、自身の判断と責任で行ってほしい。

本多鋭一

現役品質管理マネージャー兼ヘルスケアライター

株式投資
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