G-ZD9CSZ2LMD 40代でiDeCoと積立NISAを併用するポートフォリオ|資金配分の決め方 | Inu blog

40代でiDeCoと積立NISAを併用するポートフォリオ|資金配分の決め方

40代夫婦が現金・iDeCo・新NISAの3つに資金を振り分けて資産全体のポートフォリオを確認する場面 資産運用

40代でiDeCoと新NISAを併用するなら、5年以内の支出は現金、60歳まで使わない老後資金はiDeCo、残る長期資金は新NISAと分けるのが基本である。

さらに重要なのは、NISAとiDeCoを別々に評価せず、預貯金まで含む金融資産全体で株式比率を確認することだ。2026年12月1日のiDeCo改正も踏まえ、40代が迷わない資金配分を具体的に整理する。

40代でiDeCoと新NISAを併用するなら資金配分はどう決める?

結論は4ステップである。

  • ①5年以内に使う予定の資金は現金で確保する
  • ②60歳まで原則使わなくても困らない老後資金をiDeCoへ回す
  • ③残る長期投資資金を新NISAへ回す
  • ④現金・NISA・iDeCoを合算し、株式比率と下落額を確認する

「iDeCo50%、NISA50%」のように、最初から制度間の比率を決める必要はない。

同じ45歳でも、預貯金1,000万円で教育費を別に準備できている家庭と、3年後に子どもの大学進学を控え手元資金が100万円しかない家庭では、60歳まで拘束できる金額がまるで違うからだ。

まず、新NISAの制度を簡潔に確認する。

2024年1月に始まった現行NISAでは、年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、併用で年間最大360万円である。

金融庁の資料では、非課税保有限度額は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円まで。非課税保有期間は無期限だ。

また、NISAの商品を売却すると、売却時の時価ではなく取得金額である簿価分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できる。

100万円で買った商品が120万円になって売却した場合、翌年以降に再利用できるのは120万円ではなく100万円分である。

一方のiDeCoは、個人型確定拠出年金だ。

掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となり、運用益も運用中は非課税である。受取時には、一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象となり得る。

ただし、iDeCoには新NISAにはない決定的な制約がある。

原則として60歳まで資産を引き出せない。

さらに加入期間などによっては、老齢給付金を受け取れる年齢が60歳より後になる場合もある。

だから40代は、節税効果だけを見てiDeCoへ資金を寄せてはいけない。

教育費、住宅修繕、車の買い替え、転職時の生活費、親の介護など、老後までに大きな支出が発生する可能性がある。

制度上の「投資できる上限」と、家計から「投資してよい金額」は別物だ。

ここを混同すると、資産形成のために始めた制度が家計を圧迫する。


iDeCoと新NISAの違いは?40代は「使う時期」で分ける

iDeCoと新NISAは、どちらが優れているかを競わせる制度ではない。

40代では、お金をいつ使う可能性があるかによって役割を分けるべきである。

比較項目 新NISA iDeCo
主な役割 中長期の資産形成 老後資金形成
拠出時の所得控除 なし 掛金が全額所得控除
運用益 制度対象商品の運用益が非課税 運用中は非課税
受取時 NISA内の利益は非課税 受取方法に応じ控除制度あり
年間投資・拠出額 最大360万円 加入区分や企業年金等で異なる
売却・引き出し 売却可能 原則60歳まで引き出せない
40代での役割 長期資金のうち流動性も残したい部分 老後まで拘束できる部分

新NISAについては、まずつみたて投資枠を長期積立の中心として使い、投資余力や運用方針に応じて成長投資枠も活用する、と考えればよい。

ただし、「NISAなら売却できる」という理由だけで数年後に使う資金を投資してはいけない。

例えば3年後に大学進学費用として200万円必要だと分かっているとする。

その200万円を株式型投資信託で運用し、必要になる直前に30%下落すれば、単純計算では評価額が140万円程度になる。

確かに売却はできる。

だが、売却できることと、必要な金額を確保できることは同じではない。

私は品質管理の仕事で、「使用可能」と「安定して使用できる」を同義には扱わない。

資産形成も同じだ。

制度上できるかどうかではなく、その運用が自分の家計条件に耐えられるかを見る必要がある。

※画像はAIによるイメージ

40代はiDeCoと新NISAへ毎月いくら配分すればいい?

毎月の資産形成額が決まったら、先に「何万円ずつ投資するか」を考えるのではない。

①近い支出、②60歳まで拘束できる額、③残る長期資金の順で決める。

例えば毎月5万円の余力がある家庭を考えてみよう。

生活防衛資金や数年以内の教育費がまだ十分でないなら、5万円すべてをiDeCoと新NISAへ投入する必要はない。

例えば、

  • 現金積立2万円
  • iDeCo1万円
  • 新NISA2万円

という配分でもいい。

手元資金が十分にできた後で、現金積立分を新NISAへ回せばよい。

逆に預貯金が十分あり、教育費や住宅費も別枠で準備済みなら、老後まで拘束できる金額を増やし、iDeCoの割合を高める判断もあり得る。

大切なのは、「月5万円だからiDeCo2万5,000円、NISA2万5,000円」と機械的に半分へ分けないことだ。

そこに家計上の根拠はない。

新NISAなら年間最大360万円まで投資できる。

しかし360万円という数字は、国が課した達成ノルマではない。

年間60万円を無理なく続けられる家庭が、生活費を削って年間360万円を目指す必要などない。

同じことはiDeCoにも言える。

所得控除があるからといって、上限まで掛金を積み上げれば正解になるわけではない。

40代で最も避けたいのは、投資額を増やし過ぎた結果、教育費や住宅費のために相場下落時のNISAを売却したり、カードローンなど別の負債に頼ったりすることだ。

資産形成は、制度枠を満額使った者が勝つ競技ではない。

必要な時期まで資金を維持し、暴落しても積立を続けられる人が強い。


40代のポートフォリオはNISA・iDeCo・現金を合算する

ここがこの記事で最も伝えたいポイントである。

ポートフォリオを見るときは、NISAとiDeCoという「口座」ではなく、金融資産全体で何に何%投資しているかを見る。

例えば金融資産1,000万円を持つ40代を考える。

内訳が、

  • 現金300万円
  • 新NISA500万円
  • iDeCo200万円

だとする。

新NISA500万円が全世界株式、iDeCo200万円が債券ファンドなら、金融資産全体では現金30%、株式50%、債券20%となる。

この人を「NISAが株式100%だから危険」と評価するのは早い。

資産全体では株式比率50%だからだ。

逆に、

  • 現金100万円
  • 新NISA700万円
  • iDeCo200万円

で、NISAもiDeCoもすべて株式型ファンドなら、金融資産全体の90%が株式になる。

口座を二つ使っていても、リスクそのものはほとんど分散されていない。

さらに注意したいのが、ファンド本数と分散効果を混同することだ。

例えば新NISAで全世界株式、iDeCoでS&P500を持ったとしても、両者には米国大型株を中心に重複する部分がある。

「ファンドを2本持ったから分散できた」では不十分である。

見るべきなのは商品数ではない。

最終的に株式、債券、現金などへ何円ずつ配分されているかだ。

元となったマネリードの記事では、40代のポートフォリオ例として株式50~60%、債券40~50%程度という考え方が示され、NISAとiDeCoを合算して資産全体で考える重要性が説明されている。

この考え方自体は参考になる。

ただし筆者としては、「40代だから株式50~60%」をそのまま標準解にすることには反対である。

同じ45歳でも、教育費のピークが終わった人と、これから2人の大学進学を控える人ではリスク許容度が違う。

安定した収入と十分な預貯金がある人と、転職を検討していて生活防衛資金が少ない人も同じではない。

年齢は一つの情報に過ぎない。

ポートフォリオを決めるのは年齢ではなく、損失に耐えられる家計構造である。


新NISAがS&P500や全世界株式ならiDeCoは何を選ぶ?

新NISAでS&P500や全世界株式を積み立てているからといって、iDeCoでは必ず債券を選ばなければならないわけではない。

答えはシンプルだ。

金融資産全体の株式比率が許容範囲ならiDeCoでも株式型を選択できる。リスクを落としたければ、iDeCoや他の資産で債券・現金を増やす余地がある。

例えばNISA500万円とiDeCo100万円のすべてを全世界株式で運用していても、別に現金600万円を持っていれば、金融資産1,200万円に占める株式は600万円、つまり50%である。

投資口座だけを見ると株式100%だが、家計全体では違う。

一方、現金がほとんどなく、NISA500万円とiDeCo200万円の合計700万円がすべて株式なら、金融資産全体の株式比率は100%になる。

この状態で株式市場が30%下落すれば、単純計算では約210万円減り、700万円が約490万円になる。

ここで自分に問うべきだ。

490万円になった画面を見ても、予定通り積立を続けられるか。

「長期だから株式100%で大丈夫」と言葉だけで決めるのは危険である。

長期投資でも大幅な価格変動は起こる。

ポートフォリオは期待リターンを高めるためだけに作るものではない。

暴落時にも自分の行動を壊さないために作るものでもある。


2026年12月のiDeCo改正で40代の資金配分はどう変わる?

2026年12月1日には、iDeCoの加入可能年齢と拠出限度額に関する制度改正が予定されている。

2026年8月27日時点で厚生労働省が公表している内容では、40代に関係する主な変更は次の通りである。

項目 現行 2026年12月1日以降の予定
第2号被保険者のiDeCo上限 月2万円または2万3,000円など 企業年金等との共通上限を月6万2,000円へ一本化
企業型DC等を含む共通枠 月5万5,000円が基準 月6万2,000円
第1号被保険者 iDeCo・国民年金基金等で月6万8,000円 共通上限を月7万5,000円
加入可能年齢 原則として国民年金被保険者等 一定要件で60歳以上70歳未満にも拡大

ここは誤解しやすい。

2026年12月から会社員全員がiDeCoへ月6万2,000円を入れられるわけではない。

第2号被保険者では、企業年金と共通の拠出限度額が月6万2,000円へ引き上げられる。

企業型DCやDBなどがある場合は、その事業主掛金額や他制度掛金相当額などを踏まえ、共通枠の中でiDeCoへ拠出できる額が決まる。

つまり、会社の企業年金制度によって実際のiDeCo上限は異なり得る。

また、加入可能年齢も拡大される。

現在の加入要件に加え、60歳以上70歳未満の国民年金被保険者以外の人でも、iDeCo加入者・運用指図者であった人や、企業年金からiDeCoへ資産を移換する人など、一定条件を満たせば加入・継続拠出できる仕組みになる予定だ。

老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないことなどの要件もある。

さらに厚生労働省は経過措置として、2026年12月1日から2029年11月30日までの間、一部の条件に該当しない60歳以上70歳未満の人についても加入可能とする内容を示している。

40代にとって、この加入可能年齢拡大は小さな変更ではない。

45歳なら60歳まで15年だが、条件を満たして65歳、さらにその先まで積み立てられる余地が広がれば、老後資金形成の時間軸そのものが変わる。

だからといって、今からiDeCoの掛金を最大化すべきだとは私は考えない。

拠出可能額が増えても、教育費は減らない。

住宅費も消えない。

生活防衛資金の重要性も変わらない。

改正で増えるのは「入れられる額」であって、「入れてよい額」ではない。

ここを取り違えないことだ。

※画像はAIによるイメージ

私見|40代は「3つの数字」を出してから投資額を決めろ

筆者として、40代がiDeCoと新NISAを併用するときに最初に確認してほしい数字は3つである。

①5年以内に必要な金額、②60歳まで拘束しても困らない金額、③株式が30%下落したときの損失額。

この3つを書き出すだけで、資金配分はかなり整理できる。

例えば金融資産1,000万円の人が、3年後の教育費200万円と生活防衛資金200万円を確保したいなら、まず400万円を投資資金と切り離して考える。

残る600万円について、60歳まで使わない老後資金をiDeCoへ、途中で売却可能な状態も残したい長期資金を新NISAへ振り分ければいい。

そして株式へ600万円投資するなら、30%下落時の評価損は単純計算で180万円だ。

1,000万円という資産額だけを見るのではなく、「180万円減っても自分は計画を変えないか」まで確認する。

ここまでやって初めて、自分のリスク許容度が見える。

私は品質管理の現場で、一つの数値だけを見て全体を判断しない。

資産形成でも、S&P500、オール・カントリー、iDeCo、新NISAといった商品名や制度名だけに目を奪われるべきではない。

確認すべきなのは、資産総額、現金額、近い支出、株式比率、収入の安定性、運用期間である。

ネットで「40代 おすすめ ポートフォリオ」と検索し、株式60%という数字をそのまま自分へ当てはめるのは簡単だ。

だが、それは他人の設計図を自分の家に持ち込んでいるだけである。

40代にはまだ運用時間が残っている。

一方で、教育費や住宅費を抱えながら何度も大きな失敗をやり直せるほど時間が無限にあるわけではない。

だからこそ必要なのは、話題の商品探しではない。

家計から逆算した資産の設計図である。


まとめ|40代のiDeCoと新NISAは4ステップで決める

40代でiDeCoと新NISAを併用するとき、最初から「何対何」で配分する必要はない。

5年以内に使う資金は現金。60歳まで原則使わない老後資金はiDeCo。それ以外の長期資金は新NISA。そして最後に金融資産全体の株式比率を確認する。

これが基本である。

新NISAでは、長期積立ならつみたて投資枠を中心に考え、資金余力や運用方針に応じて成長投資枠を使えばよい。

S&P500や全世界株式をNISAとiDeCoの両方で持つこと自体にも問題はない。

重要なのは商品名ではなく、現金まで含めた資産全体でどれだけ株式リスクを取っているかだ。

2026年12月1日にはiDeCoの拠出限度額引き上げや加入可能年齢拡大が予定されている。

ただし、制度上限は家計の目標ではない。

40代の資産形成で守るべきなのは、NISA枠でもiDeCo枠でもなく、自分と家族の生活である。

近い支出額、60歳まで拘束できる額、30%下落時の損失額。

この3つの数字を出してから投資額を決める。

面倒でも、ここから逃げてはいけない。

40代に必要なのは、枠を埋める根性ではない。

相場が荒れても、家計を壊さず続けられる設計力である。


よくある質問

40代ならiDeCoと新NISAはどちらを優先すべき?

一律には決められない。

まず生活防衛資金や5年以内に必要な教育費・住宅費などを確保し、そのうえで60歳まで原則使わない資金をiDeCo、長期投資しながら売却可能な状態も残したい資金を新NISAへ回す考え方が基本である。

新NISAとiDeCoで同じS&P500や全世界株式を買ってもいい?

同じ商品や同じ資産クラスを持つこと自体が間違いではない。

重要なのは、NISA、iDeCo、預貯金を合算した金融資産全体で株式比率を確認し、想定される下落額に家計と心理の両方が耐えられるか判断することである。

2026年12月から会社員はiDeCoへ月6万2,000円拠出できる?

会社員全員が一律に月6万2,000円をiDeCoへ拠出できるわけではない。

2026年12月1日施行予定の改正では、第2号被保険者について企業年金等との共通拠出限度額が月6万2,000円へ引き上げられる。企業型DCやDBなどがある場合は、それらの掛金額等を踏まえて実際にiDeCoへ拠出できる額が決まるため、勤務先の制度確認が必要である。

本多鋭一

資産運用
スポンサーリンク
シェアする
wpapiuserをフォローする
タイトルとURLをコピーしました