個別株投資の割合に万人共通の正解はない。生活防衛資金と予定支出を先に除き、長期投資資金に占める比率と下落時の損失額から決めるべきである。
「個別株は資産の10%なら安全」「30%までは大丈夫」と数字だけを先に決めるのは危険だ。重要なのは、何%持つかではなく、その割合が何を分母にし、失敗したとき家計にどこまで影響するかである。
個別株投資の割合は何%くらいが目安なのか?
結論から言えば、個別株を金融資産全体の10%、20%、30%と一律に決められる公的な基準はない。
年齢、収入、家族構成、生活費、住宅費、教育費、保有金融資産、投資期間、値下がりへの耐性が違う以上、全員に同じ割合を当てはめることには無理がある。
ただし、資産配分を考える際の参考になる考え方は存在する。その一つが「コア・サテライト戦略」である。
三井住友銀行の「Money VIVA」では、29歳で3,500万円を超える金融資産を築いたTさんの事例として、積立投資と個別株を組み合わせるコア・サテライト戦略が紹介されている。
Tさんは日本株への投資から始め、その後はiDeCoで全世界株式のインデックスファンドを毎月1万3,000円積み立てていた。預貯金も約2,000万円あり、日本株と投資信託をどう組み合わせるかをファイナンシャルプランナーへ相談した事例である。
そこで紹介された考え方の一つが、コアを7~9割、サテライトを1~3割程度とする配分だ。
コアには広く分散された投資信託など、資産形成の土台となるものを置く。サテライトには個別株など、より積極的にリターンを狙う資産を配置する。
ただし、ここで数字だけを切り取ってはいけない。
「サテライト1~3割=個別株を必ず10~30%持つべき」という意味ではない。
サテライトに何を組み入れるかは運用方針によって異なり、個別株だけとは限らない。コア7~9割、サテライト1~3割は資産配分を整理するための考え方であり、個別株の適正割合を示す普遍的な基準ではないのだ。
たとえば長期投資へ回せる資金が500万円あり、次のように配分したとする。
配分 金額 主な役割
コア80% 400万円 広く分散された投資信託など
サテライト20% 100万円 個別株など
合計 500万円 長期投資資金
この100万円を見て「個別株20%」と言うことはできる。
しかし金融資産全体が1,000万円なら、金融資産全体に占める個別株は10%である。
ここが非常に重要だ。
個別株の割合を語るときには、必ず「何に対する割合なのか」を明確にしなければならない。
少なくとも次の二つは分けて考えるべきだ。
- 長期投資資金に占める個別株の割合
- 金融資産全体に占める個別株の割合
たとえば金融資産1,000万円のうち、生活に必要な現金などを除いた長期投資資金が600万円あり、その20%にあたる120万円を個別株へ回したとする。
この場合、長期投資資金に占める個別株比率は20%だが、金融資産全体では12%だ。
一方で600万円すべてを個別株へ投入すれば、長期投資資金では100%、金融資産全体でも60%が個別企業の値動きにさらされる。
「投資額600万円」という数字は同じでも、リスク構造はまったく違うのである。
私は品質管理の仕事でも、数字を見るときに必ず分母と測定条件を確認する。
不良率1%と言われても、何個中の1%なのか、どの期間なのか、何を不良と定義したのかが分からなければ判断できない。
投資割合も同じだ。
「個別株は何%がいいのか」と検索する前に、その%の分母を確認せよ。
分母を曖昧にした数字を信じることは、計器の単位を見ずに製造条件を決めるようなものだ。
松井証券のiDeCoは「手数料が安い」だけで決めていいのか。
40代なら先に見ておきたいポイントがある。続き・詳細はこちらの記事で確認できる。
個別株の割合を決める前に現金はいくら残すべき?
個別株投資の割合を決める第1段階は、個別株を選ぶことではない。
投資へ回してはいけないお金を先に切り分けることである。
大和証券では、資産を使う目的と時期によって「そなえるお金」「まもるお金」「のこすお金・ふやすお金」に分ける考え方を紹介している。
最初に確保するのが、日常生活や緊急時に使う「そなえるお金」だ。
食費、家賃、住宅ローン、光熱費、通信費などの生活費に加え、急な病気やけがなどへの備えが該当する。
大和証券では「そなえるお金」について、月々の生活費の3カ月~1年分を一つの目安としている。
毎月の生活費が20万円なら60万~240万円、30万円なら90万~360万円である。
もちろん、全員が必ず12カ月分必要という意味ではない。
会社員か自営業か、共働きか一馬力か、雇用が安定しているか、扶養家族がいるかによって必要額は変わる。
大切なのは、株価上昇を期待する金と、生活を維持するための金を混ぜないことである。
相場はあなたの家計を気遣ってくれない。
保有株が決算発表後に大きく下落した翌月、車が故障するかもしれない。給湯器が壊れるかもしれない。仕事を休まざるを得なくなる可能性もある。
そのとき現金がなければ、最も売りたくないタイミングで株を売ることになる。
それでは長期投資以前の問題だ。
次に切り分けるべきなのが「まもるお金」である。
子どもの教育費、住宅購入資金、リフォーム代、車の買い替え費用など、使い道や時期がある程度見えている資金だ。
大和証券も、使う時期が1~2年以内など近い場合には、預貯金など流動性の高い資産で保有する考え方を示している。
ここで覚えておきたい原則は単純である。
使う日を自分で延ばせない金ほど、大きな価格変動へさらすべきではない。
「株価が下がっても上がるまで待てばいい」という言葉を簡単に使う人がいる。
だが、待てるのは支出時期を自由に動かせる資金だけだ。
大学の入学金は株価の回復を待ってくれない。住宅の修繕も、設備が壊れているのに「日経平均が戻るまで延期」というわけにはいかない。
そこで私は、個別株を検討する前にまず次の式で資金を整理する。
長期投資候補額=金融資産-生活防衛資金-近い将来の予定支出
たとえば金融資産が1,000万円あるとしよう。
生活防衛資金として300万円、数年以内に使う教育費や住宅修繕費として300万円を確保するなら、
1,000万円-300万円-300万円=400万円
となり、長期投資候補は400万円である。
ここで個別株を300万円保有するとどう見えるだろうか。
金融資産全体1,000万円に対しては30%である。
「30%なら、それほど極端ではないのでは」と感じる人もいるだろう。
しかし長期投資へ回せる400万円を分母にすると、個別株比率は75%になる。
見え方が一変するはずだ。
総金融資産に対する割合だけを見ていると、本当の集中リスクを過小評価することがある。
これは個別株投資で見落とされやすいポイントである。

楽天証券の調査から個別株10~30%が適正とは言える?
結論から言えば、言えない。
楽天証券が2021年2月にサイト上で実施したアンケートでは、資産の10%以上を投資へ回している回答者が62.2%、30%以上を投資へ回している回答者が34.2%だった。
この数字自体は、「アンケート回答者が資産のどれほどを投資していたのか」を知る材料にはなる。
だが、ここから「個別株は資産の10~30%が適正」と結論づけることはできない。
理由は明確だ。
第一に、このアンケートで示されているのは個別株だけの保有割合ではなく、資産に占める投資全体の割合だからである。
投資信託、ETF、国内株、外国株、REITなどへ分散された投資資産30%と、一つの企業の株式だけで30%を保有する状態では、リスクの性質がまるで違う。
30%という数字だけを並べても意味はない。
第二に、楽天証券のサイト上で実施されたアンケートである。
これは日本の全世帯を無作為に抽出した公的統計とは性格が異なる。
そもそも証券会社のサイトを訪れ、アンケートへ回答する人は、投資に関心を持つ層が含まれると考えるのが自然だ。
したがって、62.2%や34.2%という数字を「日本人の標準値」「初心者が目指すべき割合」と断定するのは適切ではない。
数字には権威があるように見える。
だからこそ危険なのだ。
「30%以上投資している人が34.2%いる。なら自分も30%まで大丈夫だろう」
そう判断したくなる気持ちは分かる。
しかし、他人が取っているリスクと、あなたが取れるリスクは別物である。
楽天証券の記事では、社員の投資事例も紹介されており、最低限の現金を確保しながらETF、投資信託、米国株、REITなどへ投資する例や、NISA、iDeCoなどを活用して投資信託を積み立てる例が示されている。
ここから学ぶべきなのは、「誰かの割合をそのまま真似すること」ではない。
見るべきなのは、資産配分がその人の生活条件とセットになっている点だ。
独身と子育て世帯では必要資金が違う。
住宅ローンがある人と住宅費負担が小さい人でも違う。
収入が安定した共働き世帯と、収入変動の大きな自営業者でも同じ割合にはならない。
家族構成、収入の安定性、生活費、教育費、住宅費、今後の大型支出を無視して「平均何%か」だけを追うな。
他人の投資割合は参考資料にはなる。
だが、あなたの家計に対する合格判定ではない。
個別株投資の割合は「何%持つか」より「何%失えるか」で決める
ここからは筆者としての私見である。
私は個別株の割合を決めるとき、保有比率だけでなく、その銘柄が大幅に下落した場合、金融資産全体で何%を失う可能性があるかまで確認すべきだと考えている。
個別株には企業固有のリスクが存在する。
業績悪化、赤字転落、下方修正、不祥事、経営判断の失敗、競争激化、主力商品の陳腐化、規制変更など、一企業固有の問題によって株価が大きく下落する可能性がある。
広く分散されたインデックスファンドであれば、一企業の株価下落がファンド全体へ与える影響は相対的に限定されやすい。
しかし一つの企業へ大きく集中していれば、その企業で起きた問題が自分の資産へ直接突き刺さる。
そこで私は、集中リスクを把握するための簡易チェックとして次の式を使う。
許容できる損失額÷想定下落率=個別株へ投入する金額の目安
注意してほしい。
これは金融工学上の公式でもなければ、安全な投資額を保証する計算式でもない。
将来の株価が何%下落するかなど、事前に正確に分かるはずがない。
あくまで、「この銘柄が大きく外れたとき、自分の資産がどれほど傷つくのか」を購入前に数値化する筆者独自のストレスチェックである。
具体例を見よう。
金融資産1,000万円の人が、一つの個別株による損失を金融資産全体の3%以内に抑えたいと考えたとする。
3%は30万円だ。
仮にその銘柄が50%下落するケースを想定するなら、
30万円÷0.5=60万円
となる。
つまり60万円分保有した株が半値になれば、損失は30万円である。
金融資産1,000万円に対する影響は3%だ。
では、同じ人が一銘柄へ300万円投入していたらどうなるか。
50%下落すれば150万円の損失だ。
金融資産1,000万円に対する損失率は15%になる。
これほど違う。
もちろん、株価が50%で下げ止まる保証はない。
企業によっては50%を超えて下落することもある。経営破綻など極端な事態では、投資額の大部分を失う可能性も否定できない。
だから「50%下落を想定したから安心」ではない。
目的は安心材料を作ることではなく、自分が引き受けようとしている損失の大きさを直視することだ。
ここで品質管理の視点が生きる。
製造現場では、設備が正常に動くことだけを前提に工程を管理しない。
異常が起きたらどうなるのか。
一つの不具合がどこまで波及するのか。
許容限界を超えたら何を止めるのか。
その条件を事前に設定する。
投資も同じである。
多くの人は買う前に利益を計算したがる。
「2倍になれば100万円儲かる」
「増配されれば配当がこれだけ増える」
上昇シナリオを見ること自体は悪くない。
だが、上がったときの話しか計算していないのなら、それはリスク管理とは呼べない。
利益率は自分で決められない。しかし投入金額と集中度は自分で決められる。
企業分析に自信があることと、資金を集中してよいことは別問題だ。
「この企業なら大丈夫だろう」で保有額を膨らませるのではない。
間違えたときにも再起できる大きさに抑える。
これが個別株を資産形成の一部として扱うための基本だと私は考える。

iDeCoは長く付き合う制度だから、金融機関選びを「なんとなく」で済ませたくない。
松井証券も、手数料・商品ラインアップ・サポートを分けて見ると評価しやすくなる。
とくに40代は、運用できる残り期間まで含めて考えることが重要だ。
「自分に合うか」を判断する材料はこちらの記事にまとめている。
個別株投資の割合は5ステップでどう決める?
個別株の割合を決める手順は、複雑にする必要はない。
むしろ数字を増やしすぎると、本当に見るべきリスクがぼやける。
私は次の5ステップで整理することを勧めたい。
- ステップ1:金融資産全体を把握する
- ステップ2:生活防衛資金を除外する
- ステップ3:近い将来に使う予定資金を除外する
- ステップ4:残った長期投資資金をコアと個別株などへ配分する
- ステップ5:個別株が大幅下落したときの資産全体への影響を確認する
具体的に計算してみよう。
金融資産1,000万円、生活防衛資金240万円、数年以内に必要となる教育費や住宅修繕費160万円とする。
まず長期投資へ回せる候補額は、
1,000万円-240万円-160万円=600万円
である。
ここまでは難しくない。
次に、この600万円のうち500万円を広く分散された投資信託、100万円を個別株へ配分するとする。
個別株比率は、
100万円÷600万円×100=約16.7%
である。
これは「長期投資資金に占める個別株比率」だ。
金融資産全体で見ると、
100万円÷1,000万円×100=10%
となる。
さらに、個別株100万円が50%下落するケースを想定しよう。
損失は50万円だ。
金融資産1,000万円に対する影響は5%になる。
これでようやく、個別株100万円を持つ意味が具体的に見えてくる。
では個別株を300万円まで増やしたらどうなるか。
長期投資資金600万円に占める個別株は50%になる。
その300万円が50%下落すると150万円の損失だ。
金融資産1,000万円に対する損失率は15%である。
同じ金融資産1,000万円でも、個別株100万円と300万円では、失敗したときの家計への衝撃がまるで違う。
ここから導ける重要な結論がある。
個別株の割合を管理するときは、最低でも次の三つを一緒に見るべきなのだ。
「個別株の保有金額」「長期投資資金に占める比率」「大幅下落時の金融資産全体への損失率」である。
割合だけでは足りない。
金額だけでも足りない。
想定損失まで見ることで、初めて集中リスクの輪郭が見える。
そして、購入した後も管理は終わらない。
個別株比率が上昇する原因は、買い増しだけではないからだ。
たとえば長期投資資金600万円のうち100万円で購入した個別株が、その後200万円まで値上がりしたとする。
喜ぶのは当然だ。
しかし同時に、その企業が自分の資産全体へ与える影響も大きくなっている。
値上がりは資産を増やす一方で、ポートフォリオの集中度も高めることがある。
これは個別株投資で意外と見逃されやすい。
当初は慎重に10%程度しか持っていなかった銘柄でも、何年も大きく上昇すれば、知らないうちに金融資産の20%、30%を占める可能性がある。
だから購入時の割合だけを保存して安心してはいけない。
半年や1年など、自分で点検時期を設定し、定期的に資産配分を確認する方法がある。
ただし「半年ごとが正解」「1年ごとなら安全」という話ではない。
投資方針や資産規模、入出金の頻度によって適切な確認頻度は変わる。
重要なのは、比率が変化することを前提に管理することである。
当初決めた上限を大きく超えた場合には、一部を売却するのか、新規投資資金をコア側へ振り向けるのか、それとも業績とリスクを再確認したうえで維持するのかを判断する。
ここでも重要なのは事前のルールだ。
株価が急騰し、含み益を眺めて興奮している瞬間に基準を作ってはいけない。
品質管理の現場で、不良が出てから「今回はこの数値でも合格扱いにしよう」と規格を変えれば、管理は崩壊する。
投資でも同じだ。
冷静なときに基準を決め、感情が動いたときほど基準へ戻る。
派手さはない。
だが、長期間個別株と付き合うなら、銘柄選び以上に重要な行動である。
個別株の割合で本当に重要なのは何か?
個別株投資の割合で本当に重要なのは、10%か20%かという数字そのものではない。
生活を守る資金を確保したうえで、自分が引き受けられる集中リスクの範囲内に個別株を置くことである。
三井住友銀行の事例で紹介されたコア7~9割、サテライト1~3割という考え方は、資産形成の土台と積極運用部分を分ける参考になる。
しかし、サテライト1~3割すべてを個別株へ回すべきという意味ではない。
楽天証券が2021年2月に実施したサイトアンケートでも、資産の10%以上を投資へ回す回答者が62.2%、30%以上が34.2%だった。
これも回答者の投資状況を示したものであり、個別株の安全な割合を証明するデータではない。
そして大和証券が示す資金の色分けからも分かるように、投資より先に考えるべきなのは「そなえるお金」と「まもるお金」だ。
つまり順番はこうである。
金融資産全体を把握する→生活防衛資金を除く→予定支出を除く→長期投資資金を決める→個別株を配分する→大幅下落時の損失を確認する。
私は、この順番を崩すべきではないと考えている。
そして個別株については、さらに一歩踏み込んで「何%持てるか」ではなく「その判断が外れたら何%失うか」を見る。
企業研究をどれほど入念にしても、未来を完全には予測できない。
決算資料を読み込んでも、競合他社の新技術は止められない。
経営陣を分析しても、不祥事が起きない保証はない。
優良企業だと思っていても、市場環境や為替、原材料価格、規制などが大きく変化することはある。
だから「絶対に失敗しない銘柄」を探すことに全力を使うのではない。
失敗しても資産形成そのものから退場しない配分を作る。
ここに力を使うべきである。
個人的には、個別株投資で最も危険なのは「自分は企業分析をしているから大丈夫だ」という過信だと考えている。
分析能力が高まるほど、自分の判断への確信も強まりやすい。
そして確信が強くなれば、「この会社だけは違う」と保有比率を上げたくなる。
しかし、優れた分析と適切な資金管理は別の能力である。
むしろ自信のある銘柄ほど、もし自分の仮説が完全に間違っていたらどうなるかを先に計算するべきだ。
この逆向きの確認こそ、個別株投資を単なる期待から資産管理へ変える。
銘柄の未来は支配できない。
株価も決算も市場心理も、自分の都合では動かせない。
だが、投入金額は決められる。
一銘柄への集中度も決められる。
生活資金を投資へ回さないことも決められる。
下落時にどこまで耐えるかも、購入前なら冷静に考えられる。
コントロールできないものを予想し続けるより、コントロールできる数字を管理せよ。
それが、私が個別株投資の割合を考えるうえで最も重要だと考える原則である。
よくある質問
個別株は金融資産の10%くらいなら安全ですか?
10%だから安全とは一律に言えない。
金融資産1,000万円のうち100万円なのか、生活防衛資金と予定支出を除いた長期投資候補200万円のうち100万円なのかでは、リスクの意味が大きく違う。
前者では金融資産全体の10%だが、後者では長期投資資金の50%を個別株が占めることになる。
さらに、一銘柄へ100万円を集中するのか、複数銘柄へ分けるのかでも企業固有リスクは変わる。
「10%」という数字だけを見るのではなく、何を分母にしているのか、大幅下落した場合に金融資産全体で何%を失うのかまで確認したい。
個別株は投資資産の10~30%にすればいいですか?
10~30%を万人共通の適正割合とは言えない。
三井住友銀行で紹介されているコア・サテライトの考え方ではサテライト1~3割という配分例があるが、サテライトには個別株以外の資産を組み入れることもある。
したがって、「個別株を必ず投資資産の10~30%持つべき」という直接的な推奨値ではない。
まず生活防衛資金と近い将来の予定支出を確保し、その残りの長期投資資金に対してどの程度の集中リスクを取れるか考えるべきである。
個別株の割合はいつ見直せばいいですか?
追加購入や売却をしたときだけではなく、株価変動によって個別株の比率が大きく変化したときにも確認したい。
半年や1年など定期的な点検日を設ける方法もあるが、これは一律の推奨頻度ではない。
見直す際には「金融資産全体に占める個別株比率」「長期投資資金に占める個別株比率」「大幅下落時に金融資産全体へ与える損失」の三つを確認すると、集中リスクを把握しやすい。
個別株投資で求められるのは、完璧な割合を一度で当てることではない。
生活環境、収入、予定支出、金融資産、株価が変われば、適切な配分も変化する。
だからこそ定期的に数字を確認し、判断を外しても生活を壊さず、資産形成を続けられる状態を維持することが重要なのだ。
銘柄選びに何時間も費やしているのに、自分の金融資産全体に対する損失率を一度も計算していないなら、順番が逆である。
魅力的な企業を見つける力だけでは足りない。
その企業への期待が外れたときにも立ち続けられる配分を作れ。
個別株と長く付き合うための土台は、銘柄への確信ではない。自分の資産を数字で管理する規律である。
iDeCoは長く付き合う制度だからこそ、金融機関選びを急ぐ必要はない。
松井証券にもメリットはあるが、誰にでも同じように向いているわけではない。
手数料はいくらか。どんな商品を選べるか。ポイントはどうなるか。
そして、40代から老後資金を積み立てる選択肢として使いやすいのか。
判断に必要なところだけを整理したので、松井証券を候補に入れているなら一度確認してほしい。
▶ 3分ほどで、松井証券iDeCoの「見るべきポイント」がつかめる。

