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40代のiDeCo加入率はどのくらい?同世代の利用状況をチェック

40代会社員がiDeCo加入者構成比32.6%と人口比約7.2%を比較している場面 資産形成

40代はiDeCo加入者全体の32.6%を占める主要世代である。ただし、40代人口を分母にすると単純概算は約7.2%であり、32.6%とは意味がまったく違う。

国民年金基金連合会の「確定拠出年金統計資料(2025年3月末基準)」では、40〜49歳のiDeCo加入者は1,180,951人。総務省統計局の2024年10月1日現在の人口推計と単純比較すると、40代人口に対する規模は約7.2%となる。これは異なる基準日の統計を組み合わせた参考値であり、公式な「40代iDeCo加入率」ではない。 iDeCo公式サイト+1

40代のiDeCo加入割合は32.6%?何を分母にした数字なのか

結論から言えば、32.6%は「40代人口のうちiDeCoに加入している人の割合」ではない。iDeCo加入者全体に占める40〜49歳の構成比である。

国民年金基金連合会が運営するiDeCo公式サイトに掲載された、運営管理機関連絡協議会作成の「確定拠出年金統計資料(2025年3月末基準)」では、個人型確定拠出年金の加入者数は3,626,142人となっている。年代別では40〜49歳が1,180,951人、構成比32.6%である。 iDeCo公式サイト+1

年代別に並べると次の通りだ。

年代 iDeCo加入者数 加入者全体に占める構成比
20〜29歳 177,473人 4.9%
30〜39歳 730,313人 20.1%
40〜49歳 1,180,951人 32.6%
50〜59歳 1,320,935人 36.4%
60歳以上 216,164人 6.0%

※19歳以下は306人で、構成比は0.0%表示。出典は「確定拠出年金統計資料(2025年3月末基準)」である。 企業年金連合会+1

40代と50代だけで構成比は69.0%になる。つまり、2025年3月末時点のiDeCoでは40〜50代が加入者の約7割を占めている。

ただし、この数字を見て「40代の約3人に1人がiDeCoをしている」と解釈してはいけない。

たとえば100人のiDeCo加入者がいれば、そのうち約33人が40代という意味である。40代100人のうち33人が加入している、という意味ではない。

これは単なる言葉尻の問題ではない。分母が違えば、数字が伝えている現実も変わる。

品質管理の現場でも、不良率を見るなら「何個を検査したうちの何個か」を確認する。母数を取り違えれば、0.1%も10%も同じように誤読できてしまう。

金融統計も同じである。

検索結果に「40代32.6%」とだけ表示されていても、数字だけを覚えてはいけない。見るべきは、「誰を100%とした割合なのか」である。

ここを押さえれば、40代のiDeCo利用状況をかなり正確に理解できる。


40代人口に対するiDeCo加入者の割合は何%?約7.2%の参考値になる

では、多くの人が「加入率」という言葉から想像する、40代人口全体に対してiDeCo加入者がどの程度いるのかを見てみよう。

この数字は「確定拠出年金統計資料」に公式な40代加入率として掲載されているわけではない。

そこで、国民年金基金連合会系のiDeCo統計と総務省統計局の人口推計を組み合わせ、人口比を単純計算する。

iDeCoの40〜49歳加入者は、2025年3月末で1,180,951人である。 iDeCo公式サイト

一方、総務省統計局の「人口推計(2024年10月1日現在)」では、40〜44歳の総人口を各歳から合計すると約763万1千人、45〜49歳は約874万7千人となる。

したがって40〜49歳の総人口は、単純合計で約1,637万8千人である。統計表は人口を千人単位で公表しているため、この数字にも丸めが含まれる。 総務省統計局

計算式はこうなる。

1,180,951人 ÷ 16,378,000人 × 100 ≒ 7.2%

したがって、40代総人口に対するiDeCo加入者数の規模は、単純概算で約7.2%となる。

ここで強く注意しておきたい。

約7.2%は国民年金基金連合会や厚生労働省が公表した「40代iDeCo加入率」という公式指標ではない。

理由は少なくとも二つある。

第一に、分子であるiDeCo加入者数は2025年3月末、分母となる人口推計は2024年10月1日現在であり、基準日が約半年ずれている。

第二に、人口には就業状況や公的年金制度上の立場が異なる人が含まれており、「iDeCoへの加入資格を持つ40代だけ」を分母にした計算ではない。

したがって正確な表現は、「異なる基準日の公的統計を単純比較した、40代人口に対するiDeCo加入者の人口比の参考値」である。

※画像はAIによるイメージ

この定義を面倒だと思って飛ばしてはいけない。

むしろ、この記事で最も重要なのがここである。

32.6%という数字から分かるのは、「iDeCo利用者の中では40代が非常に大きな層である」ということだ。

約7.2%という参考値から分かるのは、「40代全体へ広く行き渡った制度とまでは言えない」ということだ。

同じ40代のiDeCoを表す数字でも、語っている現実は違う。

筆者としては、この二つを並べて初めて実態が見えると考える。

「40代の3人に1人が加入している」と焦る必要はない。一方で、約118万人が利用している以上、「一部の投資好きだけが使う特殊な制度」と片付けるのも違う。

iDeCoは40代にとって珍しくない。しかし、40代の多数派が利用しているわけでもない。

これが数字から読み取れる、最も無理のない結論である。


なぜiDeCo加入者は40代・50代に集中しているのか?

2025年3月末時点では、40代32.6%、50代36.4%で、40〜50代だけで加入者の69.0%を占める。 iDeCo公式サイト

では、なぜこの年代が多いのか。

ここは統計から直接「理由」が証明されているわけではないため、事実と推論を分けて考えなければならない。

背景の一つとして考えられるのが、老後までの時間が具体的に見え始める年代であることだ。

45歳なら60歳まで15年、65歳まで20年である。

20代にとって老後は数十年先だが、40代になると退職時期、住宅ローン残高、教育費、退職金、企業年金といった数字が現実味を帯びてくる。

もう一つ無視できないのが、iDeCoという制度そのものの拡大である。

厚生労働省の資料によれば、iDeCoは2016年9月に愛称が決まり、2017年1月に加入可能範囲が拡大した。その後、加入者数は2017年度末85.4万人、2020年度末193.9万人、2023年度末328.5万人、2024年度末363.1万人へ増えている。 厚生労働省

2015年度末は25.8万人だったため、2024年度末の363.1万人は約14倍である。

これは40代だけの増加を意味する数字ではない。ただ、現在の40代の多くが30代だった時期にiDeCoの対象拡大と制度普及が進んだことは、年代構成を見る際の重要な制度的背景である。

さらにiDeCoには、掛金が小規模企業共済等掛金控除の対象となる仕組みがある。

収入が増え、所得税・住民税を意識する機会が増えやすい40〜50代にとって、老後資金形成と所得控除を同時に考えられる点は制度を検討する一因になり得る。

ただし、ここで「だから40代はiDeCoをやるべきだ」と短絡するのは危険である。

40代は老後準備が必要になる一方で、教育費、住宅費、車、親の支援など、老後より前に使う資金も重くなりやすい。

iDeCoには老後資金形成を目的とした制度特有の資金拘束がある。

税制上有利に見えるからと、近い将来に使う可能性のある資金まで入れるのは筋が悪い。

40代なら、まず金の役割を分けるべきである。

  • 生活防衛のために確保する現金
  • 数年以内に使う教育費や住宅関連費
  • 必要に応じて売却できるNISAなどの資産
  • 老後まで使わないと決めたiDeCo資金

私はここに、40代でiDeCoを考える本質があると見る。

加入者が多い年代だから始めるのではない。老後資金とそれ以前に使う金を切り分けられるかどうかで判断する。

他人の加入割合は、判断材料の一つにすぎない。


40代のiDeCo加入者は増えている?構成比低下も同時に見る

もう一つ、40代のiDeCoデータで見落とされやすいポイントがある。

40代の加入者数は増えているのに、加入者全体に占める40代の構成比は下がっている。

「確定拠出年金統計資料」を時系列で見ると、40〜49歳の加入者数は次のように推移している。

2021年3月末は741,213人、2022年3月末は889,836人、2023年3月末は1,020,263人、2024年3月末は1,113,186人、2025年3月末は1,180,951人である。 企業年金連合会

つまり実人数は約74万人から約118万人へ大きく増えた。

ところが構成比は同じ期間に、38.1%、37.2%、35.2%、33.9%、32.6%と下がっている。 企業年金連合会

これは一見すると矛盾しているように見える。

だが、矛盾ではない。

iDeCo全体の加入者数も増えており、他年代の加入者増加も同時に進んでいるため、40代加入者の実人数が増えても全加入者に占めるシェアは下がり得るからだ。

この視点は重要である。

「40代の構成比が38.1%から32.6%へ下がった」とだけ書けば、「40代のiDeCo離れ」と誤解する人がいるかもしれない。

しかし実際には40代加入者は約44万人増えている。

品質管理で言えば、比率だけを見て実数を見ない分析は片手落ちだ。

だから40代のiDeCo加入状況を見るなら、

「現在の構成比」「加入者の実人数」「時系列での増減」

をセットで見る必要がある。

この三つを並べると、40代は「シェアが縮小している年代」ではなく、加入者数そのものは増えながら、iDeCo全体の裾野拡大によって構成比が低下している年代と捉える方が正確である。

これは32.6%だけを眺めていては見えない事実だ。


2026年12月のiDeCo改正は40代の加入動向にどう関係する?

40代の加入割合を考えるうえで、今後の制度変更も最低限は押さえておきたい。

厚生労働省によれば、2025年の年金制度改正により、iDeCoの加入可能年齢引き上げと拠出限度額引き上げは2026年12月1日に施行予定である。 厚生労働省+1

40代会社員に直接関係しやすいのは拠出限度額だ。

国民年金第2号被保険者のiDeCo拠出限度額は月額6.2万円へ引き上げられる。企業年金がある場合は、月額6.2万円からDB等の他制度掛金相当額や企業型DCの事業主掛金額などを控除した額が上限となる。 厚生労働省

したがって、「会社員なら誰でもiDeCoへ月6.2万円を拠出できる」という意味ではない。

第1号被保険者については、iDeCoと国民年金基金の共通上限が月額7.5万円へ引き上げられる。加えて、一定の要件を満たす60歳以上70歳未満の人にも加入・継続拠出の対象が広がる。 厚生労働省+1

※画像はAIによるイメージ

ただし、この記事の主題は「40代の加入割合」である。

制度改正で将来の年代別構成がどう変化するかは、現時点では確定していない。上限が増えるから40代加入者が急増すると断定することもできない。

筆者として注目したいのは、改正後の年代別加入者数と構成比を追うことで、40〜50代への集中が続くのか、それとも60代を含めて分散していくのかが見えるようになることだ。

加入可能年齢が広がれば、60代以上の構成比に影響する可能性はある。

そうなれば、40代の加入者実数が増えていても、40代の構成比がさらに下がることは十分あり得る。

だから将来「40代30%」などの数字を見ても、それだけで40代の利用が減ったとは判断できない。

制度変更の前後では、構成比より実人数の推移を併せて確認する。

これが統計を誤読しないためのポイントである。


40代のiDeCo加入データから何を判断すべきか?

ここまでの数字を整理すると、40代のiDeCoについて見えてくるのは三点だ。

第一に、2025年3月末の40〜49歳加入者は1,180,951人であり、加入者全体の32.6%を占める。50代に次ぐ大きな層である。 iDeCo公式サイト

第二に、総務省統計局の2024年10月1日現在の40代総人口と単純比較すると人口比は約7.2%となる。ただし、基準日の異なる統計を組み合わせた参考値であり、公式な40代iDeCo加入率ではない。 総務省統計局

第三に、40代加入者は2021年3月末の741,213人から2025年3月末の1,180,951人へ増えている一方、全加入者に占める構成比は38.1%から32.6%へ低下している。 企業年金連合会

この三つを一緒に見るべきである。

個人的には、40代にとって最も価値のある読み方は「周囲がやっているか」を確認することではないと考える。

重要なのは、40代からでも100万人を超える人が利用する制度である一方、人口ベースでは少数派であると理解することだ。

つまり、始めていないから異常でもない。始めているから特別でもない。

他人の割合を見て安心したり焦ったりする必要はないのである。

40代なら、むしろ自分の残り時間を数字にした方がいい。

45歳から60歳まで15年間、月1万円を拠出すれば元本ベースの掛金総額は180万円となる。月2万円なら360万円、月3万円なら540万円だ。

これは運用益や手数料を考慮しない単純計算であり、将来の資産額を保証するものではない。

それでも「何となく遅い気がする」という感情よりは、はるかに役に立つ。

47歳なら60歳まで13年。

49歳なら11年である。

使える時間が有限なのは事実だ。しかし、だからこそ加入割合を眺めて終わるのではなく、自分の家計から老後まで使わない資金をいくら切り分けられるかを考える価値がある。

一方で、教育費や住宅費が数年以内に必要なら、それらを犠牲にしてiDeCoを優先する合理性はない。

iDeCoの掛金上限は、「入れるべき金額」ではなく「制度上入れられる最大額」にすぎない。

この違いもまた、32.6%と7.2%の違いと同じである。

数字は定義を理解して初めて判断材料になる。

私は品質管理の仕事でも、一つの数値だけで工程全体を判断しない。金融制度でも、その姿勢は変わらない。

40代のiDeCoを見るなら、加入者構成比だけでは足りない。

人口比、実人数、時系列推移、資金拘束、自分の残り期間まで並べて初めて、数字が自分事になるのである。


まとめ:40代32.6%は「加入率」ではなくiDeCo加入者の構成比

2025年3月末時点で、40〜49歳のiDeCo加入者は1,180,951人。iDeCo加入者全体に占める構成比は32.6%で、50〜59歳の36.4%に次ぐ大きな年代層である。 iDeCo公式サイト

ただし、32.6%を「40代の3人に1人がiDeCoに加入している」と読んではいけない。

32.6%は、あくまでiDeCo加入者全体を100%としたときの40代の構成比である。

総務省統計局の2024年10月1日現在の人口推計から40〜49歳の総人口を約1,637万8千人とし、2025年3月末のiDeCo加入者1,180,951人と単純比較すると、人口比は約7.2%となる。基準日が異なるため、これは公式加入率ではなく参考値として扱う必要がある。 総務省統計局+1

さらに重要なのは、40代の構成比が2021年3月末の38.1%から2025年3月末の32.6%へ低下する一方、実人数は741,213人から1,180,951人へ増えていることである。 企業年金連合会

構成比だけ見れば減少、実人数を見れば増加。

これこそ、割合を読むときに分母を確認しなければならない理由だ。

40代がiDeCoを始めるべきかどうかは、同世代の加入割合だけでは決まらない。

老後までの年数、教育費、住宅費、生活防衛資金、企業年金、NISAなどを並べ、そのうえで老後まで使わない資金を切り分ける。

その順番で考えるべきである。

32.6%を見て焦る必要はない。

しかし、40代の加入者がすでに約118万人いるという事実は、自分の老後資金を数字で確認するきっかけにはなる。

他人の割合ではなく、自分の残り時間と資金余力を見る。

40代の資産形成で本当に必要なのは、そこからである。


よくある質問

40代のiDeCo加入率は32.6%ですか?

厳密には違う。

32.6%は、2025年3月末時点のiDeCo加入者全体に占める40〜49歳の構成比である。40代人口の32.6%が加入しているという意味ではない。 iDeCo公式サイト

総務省の2024年10月1日現在人口との単純比較では約7.2%だが、基準日が異なるため公式加入率ではなく参考値である。

40代のiDeCo加入者は何人ですか?

運営管理機関連絡協議会作成「確定拠出年金統計資料(2025年3月末基準)」では、40〜49歳のiDeCo加入者は1,180,951人である。 iDeCo公式サイト

50〜59歳の1,320,935人に次ぐ規模で、40代はiDeCoの主要利用世代となっている。

40代のiDeCo加入者は減っていますか?

実人数では減っていない。

40〜49歳の加入者は2021年3月末の741,213人から2025年3月末の1,180,951人へ増えている。一方、加入者全体に占める構成比は38.1%から32.6%へ低下した。 企業年金連合会

したがって、「構成比が下がった=40代加入者が減った」とは言えない。実人数と割合をセットで見る必要がある。

執筆:本多鋭一

現役品質管理マネージャー兼ヘルスケアライター

資産形成
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