G-ZD9CSZ2LMD 40代で筋肉が減るのはなぜ?筋肉が落ちる原因と対策を解説 | Inu blog

40代で筋肉が減るのはなぜ?筋肉が落ちる原因と対策を解説

40代会社員男性が階段で脚力の衰えを感じAWGS 2025の筋肉低下基準と対策を確認しているシーン 筋力ケア

40代で筋肉が減る原因は、加齢だけではない。座りすぎ、筋肉への刺激不足、栄養不足などが重なることが大きい。

さらにAsian Working Group for Sarcopenia(AWGS)は2025年、サルコペニアの考え方を更新し、50〜64歳にも具体的な評価基準を示した。ただし、この50〜64歳の基準を40代へそのまま当てはめて自己診断してはいけない。

40代で筋肉が減る原因は?加齢だけで片づけてはいけない

40代で「階段が重くなった」「以前より脚が疲れやすい」「体重は変わらないのに身体が締まらない」と感じる人は少なくない。

確かに年齢は無関係ではない。国立長寿医療研究センターは、加齢に伴って骨格筋量が減少し、体脂肪量は増加しやすいことを説明している。

だが、ここで「歳だから仕方ない」と思考停止してはいけない。

40代の筋肉低下は、年齢だけで一本の原因線を引けるほど単純ではない。主に次の要因を切り分けて考える必要がある。

  • 加齢に伴う筋肉量・筋力の変化
  • デスクワークなどによる身体活動量の低下
  • 筋力トレーニングなど筋肉への負荷不足
  • エネルギーやたんぱく質の摂取不足
  • 疾患、入院、痛み、長期安静などによる活動量低下

国立長寿医療研究センターも、サルコペニアに関係する要因として加齢だけでなく、低活動、低栄養、疾患などを挙げている。

私は品質管理の現場で原因分析を行うとき、一つの要因だけを見て結論を出すことはしない。

不良が発生したなら、設備、人、原材料、工程、環境を切り分ける。身体も同じであり、「40代だから」という一言では改善点が見えなくなる。

「仕事で疲れた」と「筋肉を使った」は別物である

40代のビジネスパーソンほど、この勘違いに注意してほしい。

会議を何本もこなし、メールを処理し、数字と格闘して一日を終える。本人はクタクタだから、「今日は十分活動した」と感じるかもしれない。

しかし、通勤は車や電車、仕事中は椅子、移動はエレベーター、帰宅後はソファという生活なら、骨格筋への刺激は決して多くない。

脳が疲れたことと、身体を十分に動かしたことは同義ではない。

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の成人版では、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上、約8,000歩以上に相当する量行うことが推奨されている。

さらに筋力トレーニングを週2〜3日行い、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することも示されている。

8,000歩に届かなければ失格、という話ではない。

同ガイドが強調しているのは、個人差を踏まえながら「今よりも少しでも多く身体を動かす」ことである。5,000歩なら6,000歩へ、昼休みに10分歩く、エレベーターの一部を階段へ変える。それも立派な改善だ。

減量で栄養まで削るのも危険である

40代では腹囲や体重が気になり始め、食事を極端に減らす人もいる。

朝食を抜き、昼はサラダだけ、夕食では主食だけでなく肉や魚まで減らす。この方法では体重が落ちても、筋肉を維持するために必要なエネルギーや栄養まで不足する可能性がある。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30〜49歳のたんぱく質推奨量は男性65g/日、女性50g/日である。

ただし、この数字を「筋肉を増やすための万能な量」と勘違いしてはいけない。

推奨量は健康な集団の栄養不足を避けるための基準であり、必要量は体格、運動量、総エネルギー摂取量、健康状態などによって変わる。

プロテインを飲めば問題解決でもない。

魚、肉、卵、大豆製品、乳製品など普段の食事を整えたうえで、不足をどう補うかを考える。サプリメントやプロテインは便利な「手段」であって、食生活全体の代用品ではない。

急激な筋力低下は「年齢」のせいにしない

筋肉が落ちる理由には疾患や長期安静もある。

特に、理由の分からない体重減少、短期間での著しい筋力低下、強い倦怠感、食欲低下、息切れ、強い筋肉・関節痛などが続くなら、「40代だから」と片づけるべきではない。

自己管理とは、何でも自力で解決することではない。

必要なときに医師などの専門家へ相談し、原因を確認する判断まで含めて自己管理である。


AWGS 2025とは?50〜64歳の新基準を40代へ流用してはいけない

結論から言う。AWGS 2025で示された50〜64歳用のカットオフ値を、40代の自己診断基準として使ってはいけない。

今回の記事で最も重要なのはここである。

Asian Working Group for Sarcopenia(AWGS)は2025年11月4日、Liang-Kung Chen氏らによるコンセンサス更新「A focus shift from sarcopenia to muscle health in the Asian Working Group for Sarcopenia 2025 Consensus Update」を医学誌『Nature Aging』に公表した。

論文は『Nature Aging』Volume 5、2164〜2175ページに掲載され、サルコペニアだけを見るのではなく、生涯を通じて「muscle health=筋肉の健康」を管理する方向へ考え方を拡張している。

主な変更点は大きく3つある。

  • サルコペニアの評価対象を50〜64歳の中年期まで拡大した
  • 診断を「低筋肉量」と「低筋力」の併存へ整理した
  • 歩行速度などの身体機能を診断要件ではなく重要なアウトカムとして位置づけた

つまり、単に握力の基準値を変更しただけではない。

サルコペニアが表面化してから対応する発想から、もっと早い年代から筋肉の健康を守る発想へ軸足を移したことが重要なのである。

AWGS 2025の50〜64歳基準はどう変わった?

AWGS 2025で示された50〜64歳の主な数値を整理すると、次のようになる。

評価項目 男性 女性
握力 34kg未満 20kg未満
DXAによるASM/身長² 7.2kg/m²未満 5.5kg/m²未満
BIAによるASM/身長² 7.6kg/m²未満 5.7kg/m²未満
歩行速度 1.2m/秒未満 1.2m/秒未満
5回椅子立ち上がり 10秒以上 10秒以上

ASMとは四肢骨格筋量であり、DXAは二重エネルギーX線吸収測定法、BIAは生体電気インピーダンス法による測定である。AWGS 2025では体格を考慮したASM/BMIの基準も追加され、50〜64歳ではDXAで男性0.80未満・女性0.55未満、BIAで男性0.90未満・女性0.63未満が提示されている。

ここで重要なのは、握力だけでサルコペニアと診断する基準ではないことだ。

AWGS 2025では、サルコペニアの診断を「低筋肉量+低筋力」の併存として整理している。歩行速度や5回椅子立ち上がりは身体機能を見る重要な指標だが、従来のように診断を構成する必須要素ではなく、アウトカムとして位置づけられた。

これを理解せず「握力33kgだった。サルコペニアだ」と判断するのは誤りである。

さらに対象は50〜64歳だ。

45歳や48歳に同じ数値を当てはめて診断する根拠にはならない。

精密な数字ほど信用したくなるが、対象集団が違えば使い方も変わる。品質管理で測定条件を無視した比較が成立しないのと同じである。

AWGS 2019から何が変わったのか

AWGS 2019では、低筋肉量に低筋力または身体機能低下を組み合わせてサルコペニアを評価し、「possible sarcopenia」や重症度の考え方も用いられていた。

AWGS 2025では診断要素を低筋肉量と低筋力の両方へ整理し、身体機能は結果を評価する重要な指標として扱う方向になった。さらに50〜64歳にも基準を設け、筋肉の健康をライフコース全体で考える枠組みが強く打ち出されている。

これは40代にも意味がある。

「40代が新しい診断対象になった」という意味ではない。

50歳になってから慌てて対策するのではなく、その前から筋力と活動量を管理する意味がより明確になったと私は受け止めている。

※画像はAIによるイメージ

40代で筋肉が落ちているサインは?体重より日常動作を確認する

「体重が20代と同じだから筋肉も大丈夫」

これは成立しない。

国立長寿医療研究センターが説明するように、加齢に伴って骨格筋量が減り、体脂肪量が増えることがある。筋肉が減った分だけ脂肪が増えれば、体重だけでは変化を見抜きにくい。

40代なら、体重と一緒に日常動作の変化を見るべきだ。

  • 同じ階段が以前よりつらくなっていないか
  • 歩く速度が明らかに遅くなっていないか
  • 椅子から立つ動作が重くなっていないか
  • 重い荷物を無意識に避けるようになっていないか
  • 以前できていた筋トレの回数や重量が大きく落ちていないか
  • つまずきやすくなっていないか

一つ当てはまっただけでサルコペニアという意味ではない。

重要なのは「昨日できたか」ではなく、半年、1年という単位で悪い方向へ変化していないかを見ることである。

私は品質管理で使う「傾向管理」の考え方が、40代の身体にも有効だと考えている。

基準値を外れてから騒ぐのでは遅い。正常範囲でも数値が一方向へ悪化し続けていれば点検する。

握力、歩く習慣、階段の感覚、スクワットなど同じ条件で確認できる項目を定期的に記録しておけば、「なんとなく衰えた」という感覚より変化を捉えやすくなる。

指輪っかテストは診断ではない

両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの最も太い部分を囲む「指輪っかテスト」も知られている。

AWGS 2025では、サルコペニアの可能性がある人を拾い上げるケースファインディングの方法に指輪っかテストが追加された。

ただし、これはあくまでスクリーニングである。

輪が作れた、囲めたという結果だけで診断はできない。簡易チェックと医学的診断を混同してはいけない。

品質管理でもスクリーニング検査は「詳しく調べる対象を見つける工程」であり、最終判定そのものではない。

健康情報でも、この線引きは極めて重要だ。


40代で筋肉を減らさない対策は?活動量・筋トレ・食事を組み合わせる

筋肉対策に特殊な裏技はいらない。

必要なのは、日常で動く量を確保し、筋肉へ適切な負荷をかけ、必要な栄養を不足させないことである。

一つの方法へ全賭けするより、生活全体を整えるほうが合理的だ。

筋トレは週2〜3日を目安にする

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨している。

筋トレとはジムのマシンや高重量のダンベルだけではない。自分の体重を利用した腕立て伏せなどの自重運動も含まれる。

長期間運動していなかった40代が、初日から限界重量へ挑戦する必要はない。

スクワット、ヒップリフト、台や壁を利用した腕立て伏せなど、自分の体力に合った負荷から始めればいい。

ここで必要なのは根性ではなく継続できる設計である。

膝や腰に強い痛みがある、持病がある、運動時に胸痛や強い息切れが出るなどの場合は、無理に負荷を上げず医師などへ相談してほしい。

ウォーキングと筋トレは二者択一ではない

「歩いているから筋トレはいらない」

逆に「筋トレしているから普段は動かなくていい」。

どちらも極端である。

厚生労働省の成人向け推奨では、1日60分以上の身体活動と週2〜3日の筋トレが別々に示されている。筋トレについても、有酸素性身体活動と組み合わせることが推奨されている。

通勤で歩く。

昼休みに10分歩く。

階段を使う。

そのうえで週2〜3日、筋肉へ抵抗を加える。

「ウォーキングか筋トレか」ではなく、役割が違うから両方を生活に組み込むと考えたほうが分かりやすい。

座りっぱなしも管理対象にする

夜に20分筋トレをしても、起きている時間の大半を座ったまま過ごしているなら、一日全体の活動量も確認したい。

厚生労働省の成人版では、座位時間を長くしすぎないことが推奨されており、長時間の座位を可能な範囲で頻繁に、例えば30分ごとに中断することに関する研究も紹介されている。

すべての仕事を30分ごとに止めろという意味ではない。

会議後に立つ、トイレやコピーまで歩く、昼食後に歩く、可能なら電話中に立つ。仕事を壊さず身体活動を増やす方法はいくらでもある。

「運動する時間がない」で終わるのではなく、動かない時間を減らせないかまで見るのだ。

※画像はAIによるイメージ

食事は「高たんぱく競争」にしない

筋肉の話になると、たんぱく質の量ばかりが注目される。

しかし、40代が最初に確認すべきなのは、極端な減量で総エネルギーや必要な栄養まで削っていないかである。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30〜49歳のたんぱく質推奨量は男性65g/日、女性50g/日とされている。

まず魚、肉、卵、大豆製品、乳製品などの食品を日々の食事へ組み込み、食事全体を整える。

そのうえで運動量や目的に応じて必要量を考えるべきであり、「筋肉にいいらしいから大量に取る」という発想ではない。

特に腎機能などに問題がある人は、自己判断でたんぱく質摂取を増やさず、医師や管理栄養士から個別の指示を受ける必要がある。


AWGS 2025から考える40代の筋肉管理|50代へ何を持ち越すか

ここからは筆者としての考察である。

AWGS 2025で私が最も重要だと感じたのは、握力34kgや20kgという数字そのものではない。

50〜64歳という中年期を正式に視野へ入れ、「筋肉の健康を生涯で管理する」という方向を示したことである。

40代は今回の50〜64歳基準の対象外だ。

だからといって「自分には関係ない」と考えるのは短絡的である。

45歳なら50歳まで5年。

48歳なら2年しかない。

50歳の誕生日を境に突然筋肉が減るわけではないのだから、50歳になってから初めて筋肉対策を始める合理性はない。

私は、40代で見るべきなのは「サルコペニアか否か」という診断名より、50代へどれだけの筋力と活動習慣を持ち越せるかだと考えている。

筋肉は見た目ではなく「生活インフラ」である

40代の筋トレを、腹筋を割るためだけのものと考える必要はない。

10年後も階段を普通に上る。

旅行先を自分の足で歩く。

買い物袋や仕事の荷物を自分で持つ。

仕事を終えた後にも行動できる体力を残す。

筋肉は、そのための生活インフラである。

だからこそ、私は品質管理でいう「予防保全」の発想を身体にも当てはめたい。

設備が完全に故障してから修理するより、異常傾向が見えた段階で手を打つほうが合理的だ。

身体も同じである。

階段が重くなった。

歩かなくなった。

休日に動かなくなった。

以前できた運動ができなくなった。

その変化を「歳だから」で処理するのではなく、生活を点検するサインとして扱う。

AWGS 2025がライフコース全体の筋肉の健康へ焦点を広げた意味を、40代はそこに見いだすべきだと私は考える。


まとめ|40代で筋肉が減る原因を知り、50代になる前に手を打とう

40代で筋肉が減る原因は加齢だけではない。

身体活動不足、座りすぎ、筋肉への負荷不足、栄養不足、疾患や長期安静など、複数の要因が関係する。

そして2025年11月に公表されたAWGS 2025では、サルコペニアの対象を50〜64歳まで広げ、低筋肉量と低筋力の併存を診断の中心に据えるなど、大きな更新が行われた。

50〜64歳では握力だけでなく、DXAやBIAで測定した筋肉量にも具体的なカットオフが設定されている。

だからこそ、握力の数字だけを見て自己診断するのは間違いであり、まして50〜64歳の基準を40代へそのまま流用してはいけない。

40代が現実にできることは明確だ。

日常で歩く量を確保する。

座りっぱなしを減らす。

週2〜3日を目安に、自分の体力に合った筋トレをする。

極端な食事制限で必要な栄養まで削らない。

そして体重だけでなく、階段、歩行、立ち上がり、握力などの変化を時間軸で見る。

急激な筋力低下や原因不明の体重減少があるなら、年齢のせいにせず医療機関へ相談する。

これでいい。

派手な健康法は必要ない。

問題なのは「完璧な方法を知らないこと」ではなく、衰えを感じながら何年も放置することだ。

仕事では売上、納期、品質、進捗を数字で管理する。

ならば、自分の身体だけ無管理でいい理由はない。

40代は、サルコペニアの診断を恐れる年代ではない。50代以降へ持ち越す筋力を、今から守る年代である。


よくある質問

40代になると筋肉は必ず減りますか?

加齢に伴って骨格筋量や筋力は低下しやすくなるが、その程度には個人差がある。

身体活動量、筋トレ習慣、栄養状態、疾患なども関係するため、「40歳を超えたら一定割合で必ず筋肉が減る」と一律には言えない。体重だけではなく、歩行や階段、立ち上がりなど自分自身の経年変化を見ることが重要である。

AWGS 2025の握力34kg未満ならサルコペニアですか?

それだけでは診断できない。

男性34kg未満、女性20kg未満という握力基準はAWGS 2025の50〜64歳に対する低筋力のカットオフであり、診断では低筋肉量との併存が必要になる。40代へその数値をそのまま適用することもできない。

40代はウォーキングだけでも筋肉低下対策になりますか?

ウォーキングは身体活動量を増やすうえで重要だが、筋力維持を考えるなら筋力トレーニングも組み合わせたい。

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に1日60分以上の身体活動に加え、筋トレを週2〜3日行うことを推奨している。現在ほとんど運動していない人は、まず今より少しでも多く動くところから始めればよい。

参考資料

  • Chen LK, Hsiao FY, Akishita M, et al.「A focus shift from sarcopenia to muscle health in the Asian Working Group for Sarcopenia 2025 Consensus Update」Nature Aging, 2025, 5:2164–2175.
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
  • 国立長寿医療研究センター「体重や握力の平均的な加齢変化」「低栄養とサルコペニアの摂食嚥下障害」

本多鋭一

現役品質管理マネージャー兼ヘルスケアライター

筋力ケア
スポンサーリンク
シェアする
wpapiuserをフォローする
タイトルとURLをコピーしました