40代男性の筋トレは、部位別に追い込むより、全身を週2〜3回鍛えて疲労を管理する方法が現実的である。
2026年2月6日公開の『MEN’S HEALTH』では、ストレングスコーチのジェイソン・ブラウン氏が、40歳以降のトレーニングとして全身法を有力な選択肢に挙げた。重要なのは年齢だけでメニューを変えることではない。仕事や家庭を含めた総疲労に合わせ、次回も高品質な動作を再現できる設計へ変えることである。
2026年2月6日のMEN’S HEALTH記事で何が提言された?
2026年2月6日に公開された『MEN’S HEALTH』の記事では、ストレングスコーチのジェイソン・ブラウン氏が、40歳を過ぎた男性のトレーニング方法について見解を示した。
要点は、胸、背中、脚、腕などを別々の日に集中して鍛える「ブロスプリット」よりも、1回のセッションで主要な動作を一通り行う全身トレーニングの方が、40代以降の生活には適合しやすいというものである。
記事の主張を整理すると、次のようになる。
- 40代以降はトレーニング以外の疲労も無視できない
- 1部位を一度に追い込みすぎると回復が遅れる場合がある
- 全身法なら1部位あたりの過剰なセット数を抑えやすい
- 週2〜3回でも主要な筋群を繰り返し刺激できる
- 筋力、筋肉量、身体機能、心肺機能をまとめて考えやすい
- 予定を一度変更しても、特定部位が長期間抜けにくい
ここで誤解してはならない。
ブラウン氏の提言は、「40歳を過ぎたら部位別トレーニングをしてはいけない」という禁止令ではない。全身法はあくまで、忙しい中年男性にとって合理性の高い選択肢の一つである。
ブロスプリットでも、適切な週間頻度と総セット数を確保できれば、筋力や筋肉量の向上は目指せる。
一方で、週5日前後のトレーニングを前提にしたメニューを、残業、出張、会食、育児、睡眠不足が重なる会社員がそのまま実行すれば、計画は簡単に破綻する。
胸の日を逃した。翌日は背中の日だから胸は行わない。次の胸の日まで1週間以上空く。
このような事態は珍しくない。
全身法なら、1回のトレーニングで下半身、押す動作、引く動作を扱うため、1日予定が崩れても主要な部位を長く放置しにくい。
私は品質管理に携わる立場から、ここに今回の提言の本質があると考える。
全身法の価値は、1回の刺激の強さではなく、計画が崩れたときの耐久性にある。
優れた工程とは、理想的な条件でだけ動く工程ではない。多少の変動があっても、一定の品質を再現できる工程である。
筋トレも同じだ。
ジェイソン・ブラウン氏はなぜ全身法を重視するのか?
ジェイソン・ブラウン氏は、筋力トレーニングとコンディショニングを組み合わせたプログラム設計を発信してきたストレングスコーチである。
同氏は以前から、スクワット、ヒンジ、プッシュ、プル、キャリーといった基本的な動作パターンを組み合わせる全身トレーニングを紹介している。
全身法では、主に次の動作を一つのセッションへ配置する。
動作パターン 代表的な種目 主に使う部位
スクワット 椅子スクワット、ゴブレットスクワット 太もも、臀部
ヒンジ ヒップリフト、ルーマニアンデッドリフト 臀部、脚裏
プッシュ 腕立て伏せ、チェストプレス 胸、肩、腕
プル チューブロウ、ラットプルダウン 背中、腕
キャリー・体幹 ファーマーズキャリー、バードドッグ 体幹、握力、肩周辺
これらを毎回すべて限界まで追い込む必要はない。
1回あたりの種目数とセット数を抑え、週の中で繰り返すことで、特定部位への疲労集中を避けながら練習頻度を確保する。
ブラウン氏は過去の全身法に関する解説でも、週5日以上トレーニングできない人には、全身トレーニングが有力な方法になるという趣旨を示している。
また、全身法を初心者だけのものと限定せず、長いトレーニング歴を持つ人にも「少ない量を質高く行う方法」が適する場合があると説明してきた。
これは重要な視点である。
筋トレ経験が長い人ほど、「以前できていた量を減らしたくない」という心理に陥りやすい。
しかし、20代と40代では、筋トレ以外に背負っている負荷が違う。
管理職としての責任、長時間のデスクワーク、出張、取引先との会食、子どもの行事、親の介護。これらはバーベルの重量には表示されないが、身体にとっては間違いなく負荷である。
トレーニング量だけを見て「昔より少ないから甘えだ」と判断するのは雑である。
本当に厳しくあるべきなのは、量を減らさないことではない。自分の回復能力を直視し、結果につながらない負荷を捨てることだ。
40代で全身筋トレが注目される背景とは?
40代になると、年齢だけで突然トレーニングができなくなるわけではない。
問題は、身体の変化と生活環境の変化が同時に起こりやすいことだ。
若い頃より睡眠時間が短くなり、仕事の責任は重くなる。一方で、運動時間は減り、長時間座る生活が増える。
久しぶりに筋トレを始めた男性が、SNSで見た上級者のメニューを採用する。
月曜日は胸を15〜20セット。火曜日は背中。水曜日は脚。木曜日は肩。金曜日は腕。
見た目は本格的だ。
だが、木曜日に会食が入り、金曜日は残業、週末は家族の予定がある。翌週には「今週はできなかった」と自己嫌悪に陥り、そのまま中断する。
これでは、メニューの完成度が高くても意味がない。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されている。
ここでいう筋力トレーニングには、マシンやダンベルだけでなく、スクワットや腕立て伏せなど、自分の体重を使った運動も含まれる。
ただし、週2〜3日という数字だけを守ればよいわけではない。
運動経験、体力、健康状態、種目数、1回あたりの負荷によって、適切な運動量は変わる。
初心者がいきなり週3回、各回10種目を行えば、推奨頻度の範囲内でも過剰になる可能性がある。
反対に、1回10分程度の軽い運動なら、体調を確認しながら別の日にも身体を動かせる場合がある。
頻度だけを切り取らず、強度、時間、回復を一体で管理しなければならない。

全身法とブロスプリットはどちらが優れている?
全身法が科学的に常に優れ、分割法が劣ると断定することはできない。
トレーニング全体の量が同等であれば、全身法と分割法で筋力や筋肥大の結果に大きな差が出ない可能性を示す研究報告もある。
つまり、結果を左右するのは名称ではない。
- 必要な筋群を適切な頻度で鍛えられるか
- 維持できる週間セット数になっているか
- 徐々に負荷を高められるか
- 食事と睡眠を確保できるか
- 数週間ではなく数か月継続できるか
この条件を満たせるなら、どちらの方法でも成果を目指せる。
それでも40代の会社員に全身法が注目されるのは、理論上の優劣ではなく、欠席や予定変更に強いからである。
ブロスプリットで脚の日を逃せば、次の脚トレーニングまで長く空くことがある。
全身法を週2〜3回行っていれば、1回を逃しても、別の日に下半身を刺激する機会が残る。
品質管理の言葉で表現すれば、これは「工程能力」の違いである。
最高条件で出せる一度の性能ではなく、条件が変動しても安定した結果を出せるか。
忙しい40代に必要なのは、華やかな最大出力より、崩れにくい運用設計だ。
なぜSNSの筋トレ情報と相性が悪くなるのか?
SNSでは、強い筋肉痛、重い重量、極端な食事管理、劇的な見た目の変化ほど注目されやすい。
一方で、「週2回を半年継続した」「今日は疲労が強いので1セット減らした」「肩の違和感が出る前に種目を変更した」という地味な判断は拡散されにくい。
しかし、中年以降の身体づくりで重要なのは後者である。
映像として目立つことと、身体にとって合理的であることは同じではない。
胸を20セット行い、翌日から肩の痛みが続く。脚を追い込みすぎて、仕事中の階段移動に支障が出る。
それを「本気でやった証拠」と評価してはならない。
回復できない刺激は、継続を壊す不良工程である。
厳しさとは、身体からの警告を無視することではない。
記録を取り、痛みと筋肉痛を区別し、翌週も実施できる量へ調整する。これこそが、本気で身体を変える人間の態度である。
40代男性の週2〜3回筋トレメニューはどう組む?
初心者は、スクワット、プッシュ、プル、ヒンジ、体幹の中から3〜5種目を選べばよい。
最初から複雑な分割法や高度な種目を採用する必要はない。
基本条件は次の通りである。
項目 初心者の目安
頻度 週2回から開始
実施日 月・木、火・金など
1回の時間 20〜40分
種目数 3〜5種目
回数 8〜15回
セット数 1〜3セット
セット間休憩 60〜120秒
負荷 あと2〜3回できそうな強度
セット終了時に、正しいフォームのまま「あと2〜3回できそうだ」と感じる程度から始める。
これをRIR、つまり余力回数で管理する方法もある。
初心者は最初の2週間を各種目1セットだけにしてもよい。
少なすぎると不安になるかもしれないが、開始直後の目的は身体を破壊することではない。動作を覚え、翌日の反応を確認し、継続できる基準を作ることだ。
自宅で週2回行う全身筋トレメニュー
自宅では、月曜日と木曜日など、間に休養日を入れて実施する。
背中を鍛える引く動作は自重だけでは作りにくいため、可能であればトレーニングチューブを用意するとよい。
月曜日
- 椅子スクワット:10〜15回×2セット
- 膝つき腕立て伏せ:8〜12回×2セット
- チューブロウ:10〜15回×2セット
- バードドッグ:左右8回×2セット
木曜日
- 椅子スクワット:10〜15回×2セット
- ヒップリフト:10〜15回×2セット
- 膝つき腕立て伏せ:8〜12回×2セット
- チューブロウ:10〜15回×2セット
所要時間は20〜30分程度である。
60分の完璧な時間が見つからないから何もしない。それは多忙ではない。設計の失敗だ。
移動、着替え、器具待ちの少ない自宅トレーニングなら、予定表に30分の枠を二つ入れればよい。
腕立て伏せが難しい場合は、壁や頑丈な机に手をついて負荷を下げる。
椅子スクワットで膝に違和感がある場合は、動作の深さ、足幅、椅子の高さを調整する。鋭い痛みが出る範囲まで無理に下げてはならない。
チューブを使う場合は、使用前にひび割れ、変色、薄くなった箇所、接続部の緩みを確認する。
天然ゴムなどの素材は、高温や紫外線、長期間の使用によって劣化する場合がある。
これは細かすぎる確認ではない。
品質を確認せずに工程を始めることの方が、はるかに無責任である。
ジムで週2回行う全身筋トレメニュー
ジム初心者は、軌道が安定しやすく、重量を細かく調整できるマシンから始めると取り組みやすい。
週2回の基本メニュー
- レッグプレス:8〜12回×2セット
- チェストプレス:8〜12回×2セット
- ラットプルダウン:8〜12回×2セット
- ヒップリフトまたは軽いヒンジ種目:10〜15回×2セット
- 体幹種目:20〜30秒×2セット
週2回であれば、同じ基本メニューを繰り返して構わない。
毎回違う種目を行う方が、本格的に見えるかもしれない。しかし、種目を頻繁に変えると、重量、回数、フォームの改善を比較しにくくなる。
同じ条件で実施し、変化を確認する。
品質管理では当たり前の考え方である。
レッグプレスでは、腰がシートから浮くほど深く膝を曲げる必要はない。
チェストプレスでは、グリップが胸付近になるようシートを調整し、肩をすくめずに押す。
ラットプルダウンは首の後ろへ引かず、上体を大きく反らさない。肩を下げ、肘を床方向へ動かす意識を持つ。
マシンだから自動的に安全になるわけではない。
身体に合わないシート位置、過剰な重量、速すぎる動作を選べば、マシンでも負担は生じる。
ジムで週3回行うA・Bメニュー
週3回行える人は、二つの全身メニューを交互に行うと疲労を分散しやすい。
メニューA
- ゴブレットスクワット:8〜10回×3セット
- チェストプレス:8〜12回×3セット
- ラットプルダウン:8〜12回×3セット
- バードドッグ:左右8〜10回×2セット
メニューB
- ダンベルルーマニアンデッドリフト:8〜10回×2セット
- ダンベルフロアプレス:8〜12回×3セット
- チェストサポーテッドロウ:10〜12回×3セット
- ファーマーズホールド:20〜30秒×2セット
1週目は月曜日A、水曜日B、金曜日A。
2週目は月曜日B、水曜日A、金曜日Bとする。
水曜日に疲労が強ければ、重量を下げるか、各種目を1セット減らしてよい。
週3回と決めたからといって、3回すべてを同じ強度で実施する必要はない。
むしろ、すべてを限界まで行おうとする設計こそ、長期継続を壊しやすい。

40代男性は負荷と回復をどう管理すべきか?
40代の筋トレでは、「今日どこまで頑張れるか」だけで判断してはならない。
見るべきなのは、次回も同じ品質で動作を再現できるかである。
筋肉痛があること自体は珍しくない。
しかし、筋肉痛の強さとトレーニング効果が比例するわけではない。痛みが強いほど成長していると考えるのは短絡的だ。
負荷は一度に一項目だけ変える
同じ重量で設定回数を安定して行えたら、次のうち一つだけを変更する。
- 重量を少し増やす
- 1セットの回数を1〜2回増やす
- セット数を一つ増やす
- 動作をゆっくり行う
- 痛みのない範囲で可動域を広げる
重量、回数、セット数を同時に増やしてはならない。
製造条件を一度に複数変更すれば、何が結果へ影響したのか分からなくなる。
身体づくりも同じだ。
一つの条件を変え、その後のフォーム、疲労、筋肉痛、痛みを記録する。感覚だけで暴走しないことが重要である。
48時間たてば必ず回復するわけではない
同じ筋群を鍛える間隔として、48時間程度が目安にされることがある。
ただし、48時間経過すれば全員が完全に回復するわけではない。
使用重量、セット数、運動経験、睡眠、食事、仕事の疲労、体調によって回復速度は変わる。
次の状態がある場合は、重量やセット数を減らすか、休養を優先する。
- 筋肉痛で日常動作が大きく制限される
- 関節や腱に鋭い痛みがある
- ウォームアップ後も動きが極端に重い
- 睡眠不足や体調不良が続いている
- 前回よりフォームが著しく崩れる
- 疲労感が数日たっても改善しない
筋肉の張りと、関節や腱の痛みを混同してはならない。
肩、膝、腰、肘などの痛みが続く場合や、しびれ、胸痛、強い息切れ、めまいなどがある場合は運動を中止し、医療機関へ相談してほしい。
記録する項目は六つでよい
筋トレ後は次の情報を記録する。
- 実施日
- 種目名
- 重量または負荷
- 回数
- セット数
- 痛みや疲労の有無
記録がなければ、「以前より強くなった気がする」「今日は調子が悪かった気がする」という曖昧な記憶しか残らない。
同じ重量で回数が増えた。
同じ回数でもフォームが安定した。
翌日の疲労が軽くなった。
これらも明確な進歩である。
体重と鏡の見た目だけで身体づくりを評価する必要はない。
食事・プロテイン・睡眠はどう考える?
筋トレだけを増やし、食事と睡眠を放置しても、望む結果にはつながりにくい。
ただし、特定の食品やサプリメントだけで身体が変わるという話でもない。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、健康な18〜64歳男性のタンパク質推奨量は1日65グラムとされている。
これは、65グラム摂取すれば全員の筋肉が増えるという意味ではない。
推奨量は主に不足を防ぐための基準であり、実際に適した摂取量は体格、運動量、総エネルギー摂取量、健康状態などで変わる。
肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品などを組み合わせ、毎食にタンパク質源を入れる方が実践しやすい。
腎機能に不安がある人や治療中の人は、自己判断で大量のタンパク質を摂取せず、医師や管理栄養士へ相談するべきである。
プロテインは、主にタンパク質を補給する食品だ。
朝食を抜きやすい、外食が多い、トレーニング後に食事を取れないといった場合には便利だが、飲むだけで筋肉が増えるわけではない。
製品を選ぶ際は、派手な宣伝文句ではなく、次の表示を確認する。
- 1食あたりのタンパク質量
- エネルギー量
- 糖質と脂質
- 原材料
- アレルゲン
- 1回あたりの費用
- 製造者や品質管理に関する情報
「40代専用」「本気の男性向け」と書かれていても、それだけで品質は判断できない。
私は品質管理マネージャーとして、製品名の迫力よりも、数値、原材料、製造者、必要性を見る。
必要なのは世間で評判の商品ではない。
自分の普段の食事で不足している部分を、無理なく補える商品である。
また、早朝トレーニングを行うために睡眠時間を大幅に削るのは勧められない。
週3回にこだわって寝不足になるなら、週2回へ減らす方が合理的だ。
トレーニングを一回増やすことより、生活リズムを維持しながら数か月継続する方が重要である。
考察|なぜ40代男性と全身法は相性がよいのか?
筆者としては、2026年2月6日の『MEN’S HEALTH』記事で重要なのは、「ブロスプリットをやめよう」という単純な主張ではないと考える。
核心は、年齢、生活、回復力に合わせてトレーニング工程を再設計することにある。
40代男性は、若い頃より根性がなくなったのではない。
仕事と家庭で負担する役割が増え、運動へ投入できる回復資源が変わったのである。
それにもかかわらず、20代の頃と同じセット数、同じ頻度、同じ追い込み方を維持しようとする。
負荷条件が変わっているのに、工程だけを固定する。品質管理の現場なら、問題が起きて当然の設計だ。
日本の会社員は、勤務終了時刻を自分だけで決めにくい場合がある。
急な会議、顧客対応、出張、飲み会、家族の予定によって、決めていたトレーニング日が崩れる。
その環境で曜日ごとに部位を細かく分ければ、計画の修正が難しくなる。
全身法なら、週2回のどちらでも主要な筋群を扱う。
一度予定を変更しても、胸だけ、脚だけが何週間も抜ける危険を抑えられる。
これは筋肥大理論以前に、運用上の強みである。
さらに、自宅かジムかを二者択一にする必要もない。
平日は自宅で椅子スクワット、腕立て伏せ、チューブロウを20分行う。
休日はジムでレッグプレス、チェストプレス、ラットプルダウンを行う。
このハイブリッド型なら、平日の移動時間を抑えながら、休日にはマシンで負荷を調整できる。
私は、この方法が日本の多忙な40代男性には特に適していると考える。
全身法の弱点も無視できない。
一度に多くの動作を詰め込みすぎれば、後半の種目で集中力が落ちる。すべての筋肉を最大限に発達させたい上級者には、部位別の追加トレーニングが必要になる場合もある。
したがって、「全身法だから何種目でもよい」と考えてはならない。
1回3〜5種目程度に絞り、主要動作を優先する。余力がある人だけ、腕や肩などの補助種目を少量加える。
この順序を守るべきだ。
40代の進歩は、重量だけでは測れない。
階段を上りやすくなった。
長時間座った後に立ち上がりやすくなった。
姿勢が崩れにくくなった。
同じメニューを行った翌日の疲労が軽くなった。
これらも身体機能が改善している重要な兆候である。
一度だけ完璧なメニューを行っても、身体は変わらない。
週2回の予定を確保し、基本種目を行い、記録を残す。その工程を何度も再現できるかが勝負だ。
40代は手遅れではない。
だが、何もしなくても体力を維持できる年代でもない。
「時間ができたら始める」という言葉を、いつまで使うつもりだろうか。
時間は自然には空かない。予定表の中で先に確保するものだ。
必要なのは、大げさな決意表明ではない。
月曜日と木曜日の30分を押さえ、最初の椅子スクワットを始めることだ。
MEN’S HEALTHの40代筋トレ提言まとめ
2026年2月6日に公開された『MEN’S HEALTH』の記事では、ストレングスコーチのジェイソン・ブラウン氏が、40歳以降の男性に全身トレーニングを有力な選択肢として示した。
背景にあるのは、部位別トレーニングの否定ではない。
仕事、家庭、睡眠不足を含む総疲労を考え、回復可能な運動量へ再設計するという考え方である。
初心者は週2回、1回20〜40分から始めればよい。
自宅なら椅子スクワット、腕立て伏せ、チューブロウ、ヒップリフト、バードドッグが取り組みやすい。
ジムならレッグプレス、チェストプレス、ラットプルダウンを中心に、軽い重量でフォームを習得する。
重要なのは、激しい筋肉痛を残すことではない。
正しい動作を行い、回復し、次回も同じ品質で繰り返すことである。
身体を変える覚悟があるなら、派手なメニューを探し回るのはもう終わりにしよう。
今週の予定表を開き、間隔を空けた二日間に30分を入れる。
身体を変える工程は、情報を読んだ瞬間ではなく、最初の一回を実行した瞬間から始まる。
よくある質問
MEN’S HEALTHは40代全員に全身法を推奨しているのですか?
全身法は有力な選択肢として紹介されているが、すべての40代男性に唯一正しい方法という意味ではない。
経験、目的、運動可能日数、回復状態によっては、上半身・下半身分割や部位別トレーニングが適する人もいる。
40代男性の筋トレは週何回が適切ですか?
初心者は週2回から始めるのが現実的である。
強い疲労や関節痛が残らず、生活や睡眠に支障がない場合は週3回へ増やしてよい。
全身法では毎回同じ種目を行ってもよいですか?
初心者は同じ基本種目を数週間続けても問題ない。
同じ種目を繰り返すと、フォーム、重量、回数、疲労の変化を比較しやすい。慣れた後に一部の種目を変更すればよい。
自宅筋トレだけでも全身を鍛えられますか?
椅子スクワット、腕立て伏せ、ヒップリフトなどで主要な部位を鍛えられる。
ただし、背中の引く動作は作りにくいため、トレーニングチューブや安定した器具を活用すると全身を組みやすい。
プロテインは40代の筋トレに必須ですか?
食事から必要なタンパク質を確保できていれば必須ではない。
食事だけでは不足する場合に、補助食品として利用できる。持病や腎機能への不安がある人は、医師や管理栄養士へ相談してほしい。
執筆:本多鋭一(現役品質管理マネージャー兼ヘルスケアライター)


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